中国というとてつもない国を一言では語れないが、
おおむかしの中国のことなら一言で表現できる。
世界のどこを探しても、これほどの文化国家は見当たら
ないだろう。紀元前の時代に、どうしてこれほどすらばしい
美術、工芸品が作れたのか・・とか、文字を作り出したのか
とか、あれだけの土木工事の知恵を出せたのか・・と、きりが
ない。今日の毎日新聞夕刊の一面記事では、紀元前おいて見事
な「金文」の鋳造が行われていたことを実験で解明している。
そのような古代だけではないが、4大発明といわれる「紙」
「火薬」「印刷」「羅針盤」も中国の発明なのだから、凄い
といわねばならない。 そういう世界一の文化や科学の歴史
を持っている中国という国は、長い歴史の中で、周囲国から
脅かされ、侵略されていく中で、発展が止まってしまったかの
ように、一流から遠ざかっていったのだった。 革命という
大きな冒険を経て、ようやく少しずつだが世界の一流に戻ろう
としている姿が見える。 ただ、大きな問題は、巨大すぎる
国土だけに隅々まで見えにくいことだ。民の生活が見えない
状態では「よい政治」はできいないだろう。地方での人材不足、
地方役人の汚職が多いようでは、中国という国家は、やがて
分断するか破滅してしまう。 香港問題や少数民族問題などに
中央政権がどのような手を打つのかが見ものだ。2500年
も前に書かれた「孫子の兵法」が役に立つのかどうか知らぬ
が、こういうことも書かれている。 ⇓⇓
『 彼を知り己を知れば百戦殆からず。
彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。
彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し』この文章の
意味は《 敵の実情と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても
負ける心配はない。 敵の実情を知らず、味方のことだけを知って
いる状態では、勝つこともあるが負けることもある。敵のことも
味方のことも知らなければ、必ず負けてしまうだろう。》