中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

経験を尊重する人軽蔑する人(1)

ちょっと極端なタイトルになってしまいましたが、年長者から経験話を
聞かされて、耳を傾ける人と、耳を背ける人・・と、いう意味です。
私は、子供の頃から・・だったとおもっているが・・年寄などからいろんな
話を聞くのが好きだったですね。 ほんとうに耳を傾けるというような
聴き方をしていました。
子供の頃から「聞いて分からんものは教えても分からん」と言われ続けて
いましたので、年長者がする動作にも目を配り、教えられなくても出来る
ようにと、しっかり見ていました。
 農家だったので、農繁期休暇(今はないでしょうね)で長期間学校を
休まされていました(欠席にはならないシステムだった)ので、勉強の成績は
自慢できるほどではありませんでしたが、作業としては子供の体格なりにでは
ありますが、なんでもやっていましたね。
 社会に出てからも、目上の人たちの言葉には耳を傾けていました。
自分がまだ経験したこともないない話ばかりなので、どんな話でも楽しく
聞けましたし、ああ・・そうなんだ・・と、思っていました。
 でも、16歳の時に集金に行かされたときのことは今でも忘れることはできません。
あの時の経験が、その後の私に大きな影響を与えてくれたのだと、叱ってくれた
ご主人に今でも感謝しています。
 ダイアモンドや真珠などの宝石類を入れるケースを作る会社でした。
全てが手作りでした。出来上がった製品を心斎橋の「おばしや」「京美堂」さんに
配達していましたので、言葉遣いも厳しくしつけられました。
「おばしや」さんは今もあるのかどうかは知りませんが「京美堂」さんは現在も
心斎橋にありますね。 私は今書いているのは、66年前の話です・・が。
 心斎橋などにあるお店は集金も心配はいりませんでしたが、朝から自転車で
大阪中を走って集金して帰って、ご主人に報告をします。
 お金を頂けなかった店が数軒ありました。
「いつ払ってもらえるのか?」
「聞いていません」
「こういう時は、では、いつお支払いいただけますか?と、尋ねるものだよ」
「はい」
「この店は、先月も支払ってもらってないが、なんというていたの?」
「来月にと仰っていました」
「ふ~ん、来月に3か月分支払ってもらえるのか?」
「聞いておりません」
「3か月分支払うのは大変だから、小切手とか手形と言う話があるかもしれないが、
手形なら、何か月なのでしょうか・・と、きっちり聞いてくるのだよ」
 16歳の私にとって、小切手とか手形とか、何か月かという話は全く理解できません
でしたが、それはどういうことでしょうか?と聞かないで、自分で小切手や手形のことを
調べて理解したのでした。
 多分、ご主人は、私にそんな話をしても直ぐに理解できるとは思っていなかったと
思います。 ですが、この時の経験は、その後の私の生き方に大きく影響させました。
物事を深く考える習慣。 自分でよく調べるという習慣。 たった10分足らずの会話
でしたが、私の長い人生に深く深く染み付いた言葉でした。