中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

連載・メモワール 生きているのは偶然の重なり (5)

  第5回
  助かった人、命を落とした人

 日航機が御巣鷹山に墜落した事故は、1機の
 航空機事故としては、いまも世界最大の惨事なのです。
 あの事故の際に、乗り遅れて助かった人が何人かいます。

 かなり昔の話ですが、(昭和20年12月9日)淡路島の
 岩屋と本土の明石を結ぶ連絡船の「せきれい丸」が遭難した
 ことがありました。

 冬場のこの連絡船は西風の強い日には船が傾くほどに揺れ、
 私も何度か恐怖を感じたことがありました。
 今は「夢のかけ橋」が架かって、あっという間に行けるの
 ですから、そういう意味では、よい時代になったものです。

 この「せきれい丸」に、親戚の女性が当時の「御影師範」
 (のちの、神戸大学教育学部)に通っていて、犠牲になり
 ました。
 この連絡船と接続していたバスが超満員で乗車できないと
 言われたのに、なんとかとお願いして乗せてもらったことが、
 命取りとなったと、彼女の兄が言っておりました。

 そういえば、昨年11月28日、ブラジルからコロンビアに
 向かうプロサッカーチームが乗っていた飛行機が墜落して
 多くの選手、コーチ、監督たちが亡くなった。この飛行機に
 乗る予定だった監督の息子さんは、パスポートを忘れて搭乗
 できず命が助かった。

 控えのゴールキーパーも誕生日パーティーのために特別の
 お許しが出て遠征に参加しないで助かったと報じられています。
 こういうことを書いていてはきりがないほど、この種の
 「偶然」で助かった命もあれば、失った命も多いでしょう。

 何となく、いま生きていると、そういうことも他人事のように
 思え、自分とは関係ないことのように思いがちなのです。
 だから、いま生かされていることへの感謝は、決して忘れては
 いけないのだと思います。

 私は運のない人だと思い込んでいる人が、世の中には多い
 みたいです。でも、いま生きているだけで幸せだと思わ
 なきゃ・・って、私は思う。
 だって、生きていれば「チャンス」が来るかもしれない
 じゃないかと、そう思える人にチャンスが来るのです。