およそ半年の間にエチオピア航空とインドネシア・ライオンエアで
相次いだボーイング737MAXの墜落事故においては、その発生状況に
類似性が高く、各国の航空会社が製造国である米国の判断を待たずして
運航停止の措置を実施しました。未だに墜落の根本的な原因は判明して
いない。ソフトに問題があるのではと言われてもいたが・・。
そんな折、米連邦航空局(FAA)は9月29日までに、米ボーイング
社製の短距離用旅客機の737NG型機の一部で機体構造上の亀裂が見つ
かったとする同社からの連絡を受け、同型機の運用企業に点検を命じたと
発表した。737NG型機には737−700、737−800や737ー
900が含まれる。同社は声明で、亀裂は少数の機材で発見されたと説明。
航空会社が機材を運用中にこの亀裂に絡む問題が発生したとの報告はない
とも述べた。
FAAは、亀裂は運航回数が非常に多い737NG型機の機体改善作業の
際に判明したと指摘。その後の点検で、別の機材にも同様の問題が見つかっ
たとした。 今後は同型機の運用企業に対し特定の点検作業の実施を促し、
必要な修理を加えた上で把握出来た問題点などをFAAへ即座に報告する
よう求めるとした。 CNN系列局KOMOによると、亀裂があったのは
機体の胴体と翼の接合部分。この部分は亀裂なしに9万回以上の離着陸に
耐えるよう設計されている。亀裂が発生した場合、深刻な事態につながる
恐れがあるとも伝えた。 ボーイングは声明で、今回の亀裂の問題は同社の
737MAX型機や737型を改造している米軍哨戒機「P−8ポセイドン」
に影響を一切及ぼしていないと主張した。
ボーイングをめぐっては需要が高かった737MAXが海外で2度の墜落事故
を起こし、FAAは全ての同型機の運航を停止させる措置を講じた。この墜落
事故の原因解明では似通った問題点が指摘されてもいる。
いまや航空機で世界を移動するのは日常的なこと。運航の機種を選んでチケ
ットを取ることもない。すべては航空会社を信じて客は飛行機に乗っている。
それだけに、万一のことがあれば悲惨な結果につながる。運がわるかっただけ
では済まされない。 新幹線や私鉄電車の台車に亀裂が入る問題も重大だが、
飛行機の翼の付け根に亀裂が入っていたとは驚きでもある。 信じるしかない
が、航空各社は点検をどこまでやっているのかかも、問われる。たぶん、今回
見つかったような問題は、運行会社での点検では見つかるまい。製造会社の
点検でしか見つからないのではないか。