日本最古のトイレットペーパーが神戸で作られていたなんて
初めて知った。
日本最古とみられるトイレットペーパーは、大正から昭和初期の
製造とみられ、神戸の会社が作っていたようだ。
このような消耗品が、使い捨てにならずに現物が残っていたことが
凄い。
神戸市内にあった貿易商「島村商会」製とみられるトイレット
ペーパーで、当時は外国船相手に売られていたようだ。
詳しいことは、山崎達雄著「ごみとトイレの近代誌」(彩流社、2200円)を。
ところで、便所の紙の話になると思い出すことがある。
妻の実家(福井県小浜の在所)では、なんでも手作りしていたようで
紙も漉いていたようだ。なので、戦時中も戦後も便所には手漉きの紙が
置いてあったらしい。
一方、我が家ではもちろん便所紙と言われるざらざらした紙が箱に
入れられていたが、戦後になるとだんだん不足してきた。
叔母たちが子供を連れて疎開してきて、一時は12人家族にもなったので
便所紙がなくなってきたようだった。
それが、何日続いたのか、1か月も続いたのか記憶は定かではないが、
ある日、便所紙の箱に25センチぐらいに切られた「藁」が入っていて
驚いたことがある。
子供の頃だし、糞の切れも良かった頃なので、取り立てて困った経験は
ないのだが、もし下痢でもしていたら、どうなっていたのだろうと、いまに
なって思う。
当時は汲み取り式便所であり、藁を落としておけば、ポチャンと撥ね返り
がなくなりってよかったのかもしれない。