中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

見て見ぬ振りする罪

 高校経営時代に、生徒が私の部屋に入ってきて、「理事長、A先生は
 俺がタバコを吸っているのを、見て見ぬふりをしていってしまった。
 あのセンコーには給料は半分でいいぜ」という。
 生徒たちは、喫煙を見逃してくれたとは思っていない。ずるい先生だと
 おもって、その教師を信頼しなくなる。
 新国立競技場建設が2500億円もの巨費になると分って国民が騒ぎ、
 やっとのことで首相も考え直すと決めた。
 どうして2500億円になったのかという経過はこれから検証されるだろうが、
 これまで分っただけでも、見て見ぬふりをしているうちに巨費になったよう
 なのだ。
 巨大産業の東芝の決算虚偽が問題となっている。
 なんと3代前の社長から始まった虚偽行為である。
 3代前の社長は、その時点でさえ疑問符がついていたアメリカの原発
 産業のウエスティン・ハウスを買収した。
 当時、入札を争った三菱などが2500億円程度と踏んでいたのに対して、
 巨費の6600億円で落札したという。
 この6600億円はまったく回収されていないばかりか、今後も東芝
 足を引っ張るはずだ。
 この場合も、見て見ぬふりをする人がいたからであり、その人たちが
 次から次へと社長になっていったのであるから、東芝のような重厚産業
 のトップたちもたいした器ではない。
 安倍首相の「憲法解釈変更」も、見て見ぬふりをする議員や国民が多い。
 その結果が顕れてからでは遅すぎるのである。