文科省は指導要綱の16年全面改訂を決めたようだ。
他のことはさておき、ここでは英語教育についてだけ書こうと思う。
英語教育を小学3年生から始めることに関しては異論はないが、
心配はある。ローマ字教育を今のまま続けるのかどうかが定かではない
ので論評は避けるが、今のローマ字教育をやめない限り英語教育は
うまくいかないと私は思っている。
なによりも、中学校での英語の場合、原則的に日本語を使わずに
英語だけで行うということに、どうも引っかかるものがある。
先ず第1に、だれが授業を行うのか?
英語だけで授業できる教師が育っているのか?という心配である。
発音の下手な教師に教育されたら、今よりも英語教育に失敗する
だろう。文科省は、中学校の英語教師の実力を知ったうえでこのような
ことを決めようとしているのだろうか。
もし、外人教師を導入するとなると、とんでもないほどの人数になる。
もう一点、ぜひ書いておきたいことがある。
今でも英語教育についていけない中学生がいっぱいいる。それなのに
英語だけで授業を進めればもっと落ちこぼれる生徒が出てくるだろう。
そういう生徒が増えれば、授業が成り立たなくなることも考えられる。
ただでさえ、クラスを掌握できていない教師が多いのに、これ以上
落ちこぼれを作ってどうするつもりなのかと、問いたい。
だからと言って、クラス編成を英語ができる生徒とできない生徒に
分けることなど「差別」問題でできないだろう。
だったら、実現に向かって何を考え、どのような準備をするのだろうか。
を挽回すべく今回の指導要項改定に至ったのだろうが、エリート官僚には
下々のことがわかっていない。
現場のことをもっと丁寧に調べてから改定するべきだったと思う。
英語教育を充実させ、国際的に活躍する人材を育てるという点においては
なんら異存はない。