中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

天安門・車突入炎上事件を考える

 天安門前に車が突入炎上し、乗っていた3人と、歩道にいた
2人を合わせて5人が亡くなった。
 中国当局は事故ではなく事件として捜査しているらしい。
そして、新疆ウイグル自治区の人が起こした「事件」ではないかと
考えているらしい。
大半であり、少数民族の人たちの地域でもある。
 そして何よりもイスラム教信者が住民の大半を占めている地域でもある。
これまでも中国政府に対する反抗が強く、大きなデモ行為が頻発して
いたので、当局としては、彼の「犯行」ではないかと考えているようだ。
 そして中国当局が、イスラム教の拡大に神経をとがらせていて、イスラム
教を抑えていたことが、犯行の背景にある。
 このように書くと、中国では宗教の自由がないように聞こえるが、そうでは
ない。中国共産党は長い間、宗教を否定し、その布教を妨げてきたのだが、
最近になって、キリスト教カトリックプロテスタントも)の布教を支援する
傾向に変わってきている。キリスト教だけではなく、仏教の布教も支援して
いるのだ。
 もっと大きな変わりようは「儒教」を大いに広めようという動きが活発に
なってきている。その背景には、経済格差に不満を持つ多くの人たちを
宗教などの力によって「和らげよう」という狙いがあるらしい。儒教は宗教とは
言えないが、それ以上の力を持った思想である。
 儒教は中国の孔子の教えでもある。中国では儒教は衰えたが、韓国では
根強く信じられ、儒教が韓国の近代化を遅らせたという指摘があるほどだ。
ここでは儒教についての説明を省きたいが、親を敬い、不満を持たずに
いまに満足を感じ、感謝して生きることが幸せなどというように説明されて
いるようでもある。どうか「儒教」で検索して調べていただきたい。
 イスラム教を抑える一方で、他の宗教の布教を活発化させ、政府への
不満分子の分割を図る、したたかな内政だといえるだろう。
 こんなことを書いていると、中国からこのブログさえ邪魔されかねないが、
その時はその時だと思っている。
 今日正午のNHKニュースの天安門関連ニュースは、中国では2分間
カットされたようだ。国民には知られたくないからだう。
 経済格差がどんどん大きくなっている。今後も格差は広がる一方だろう。
国民の不満も溜まってきている。現在の政権がどんなかじ取りをするのか、
関心を持って見つめている。