中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

30キロ圏外の保障はどうなるのか

昨日の「廃炉にせざるを得ない」の中で、チェルノブイリを例に挙げて
廃炉には50年以上を要する可能性があると書いた。
今日の読売新聞に、そのことが書かれていて、やはり廃炉には数十年は
かかるだろうと書かれている。メディアも本当のことを書き始めたようだ。
 
さて、原発事故の収束は程遠いことが次第に明らかとなった。
放射線汚染は今後も広がるだろう。農産物だけでなく工業製品までも輸出に
際して「被曝してない証明書」の添付が求められるようになってきている。
今一番気になるのは、30キロ圏外に住む人たちのことだ。
農産物や畜産物の生産者にとっては、避難圏外にあるのに売れない現実がある。
 
このような圏外住民や、生産者に対して、政府は「保障」を早く約束してあげて
欲しいものだ。政府としては、保障金問題では「線引き」が難しいと言うこともあろう。
いつの災害でも、線引きすれすれの人たちが最も辛い思いをするものなのだ。
 
私はかつて、台風により一夜にして縫製工場が飛ばされ、工場内が風雨にさらされる
と言う大きな被害に遭った。
地域の被害が大きかったので、政府は直ちに「激甚災害指定」を行った。
ところが、私の場合は、工場が借りものだったために「激甚災害融資」の対象に
ならなかった。
工場を借りて内装し、器機を入れ、商品を置いていたのは私であり、大きな被害を
受けたのは私だったのだが、激甚災害融資は「元に復する」ことが前提であるために、
建物の持ち主でない私は、融資の対象とならなかったという、苦い経験がある。
一夜にして、多くのものを失ったと言う意味では、今回の被災地の経験者と同じだろう。
今回も、その様な法律の隙間の中で苦しむ人が多くいるのではと懸念する。