中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

アフガンでの中村医師の死に思うこと

 アフガニスタンで中村医師が銃撃されて殺された。

残念としか言いようがないが、彼がやってきた灌漑事業

などについて、なにか割り切れない気持ちがある。

  中村さんは当初は医療支援だけだったが、やがて大飢饉

に見舞われたアフガニスタンを救済するためには「水」が

キーワードだと考え、井戸を掘り、農業用水路の工事を推進

してきたようだ。映像で見ると砂漠だった場所に木が茂って

いる風景がくっきりと見られる。 彼がやってきたことが、

この一事をみてもよく分かる。

 ただ・・私はどうもすっきりしない。農業用水路建設とか

潅漑事業などまでなぜするのだろうかと。 アフガニスタン

は、歴史上、モンゴルからの侵略や英国の保護国、ロシアの

介入など他国に揺さぶられてきた国だ。しかし、文化的に

野蛮国ではない。最新的な井戸の掘り方は別として用水路

などの土木まで支援したいたというのが腑におちない。

 相手が野蛮人なら、そこまで支援がいるだろうが、支援は

知恵を貸すだけでいいのではないだろうか・と思ってしまう。

 中村さんを非難しているのでは決してない。彼を尊敬して

いる。私にはまねのできないことを勇気をもってやってこら

れたと思う。誰もが出来ることではない。いつも、こういう

問題で思ってしまうことがある。 一番腹立たしいのは、

だれが、アフガンに武器を与えたのかと言うことだ。アフガン

にせよ、タリバンにせよ、彼らだけで武器を作れない。弾丸も

作れない。他から与えなければ、昔同様に剣をもってお互いが

戦えばよいのだ。自然の原理として淘汰されるものが出るだろう。

他から、だれかが、銃砲を与え、新兵器を与えて戦わせている。

言い換えれば、兵器製造会社だけが儲かる仕組みになっている。

武器を与え、代理戦争をさせ、問題がこじれれば、軍隊を送り、

最新兵器の試験場と化してしまう。冷たいようだが、そういう

国々をめぐる争いはいつも図式化していて、かつては冷戦の

相手国同士の代理戦争だった。これからは、新冷戦時代となって

新たな組み合わになるのかもしれない。イラン・イラク戦争

完全な代理戦争だった。冷戦をやっている大国同士は、どんどん

兵器を送り込むだけだ。チャンスがあれば乗っ取りたいのだ。

むかし、英国がそうだった。ずる賢く、他国をあやつり奪って

きた。アフリカの諸国が今も貧困なのは英国のせいだと、私は

考えている。 医療技術を教える、医薬品を支援するなどは、

私的には、納得できる。命を大事にとはいうけれど、世界の

命をすべて救えるわけではない。 やれることと、そこまでは

やらない、やらないほうがよい・・など、いろいろと考えさせ

られた中村医師の死だった。 なにゆえ?相手は中村さんを

抹殺したかったのか?? その理由は分からないが、謎が深まる

ばかりだ。