中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

宮本輝著「流転の海」第9巻を読み終えて

 宮本 輝著「流転の海 第9巻 野の春」を昨日読み終えた。
37年間もかかって書き上げた父と子の物語。 もちろんフィクション
も多いだろうが、宮本輝さんとご両親の話が中心となっている。
 書く方も大変だっただろうが、こちら側の読者も大変だった。
37年間もかかって読んだのだけれど、平均すれば4年に一冊と
いうことだから忘れてしまわないように、新しい巻が出る前に、
前の巻をもう1,2度読み返すとったことを繰り返したので、9巻
だけど20数冊ほど読んだ計算になる。
 労作であるとともに、労読・・でもあったなと思っている。
それでも、読みたいと思う人が多かったというのはなぜだろうか?
私の場合は、大阪生まれと言うこともあり、青春時代を大阪で過ごした
と言うことで小説に出てくる地域はすべて知っている。 昭和の匂い
の濃厚な時代を宮本親子と一緒に歩んでいるかのような親近感も
感じならが読み終えた。
 彼の父親が、いろんな事業に手を出して成功したかと思えば落ちて
行くさまを一緒に心配しながら読んでいたものだった。
 37年間は長いけれど・・宮本輝さんが父が亡くなった同じ71歳に
なったからこそ書き終えられたのではないかと思う。
 若い人たちが、この本を読んで、なにを感じるのかを訊いてみたい
思いがするが、このブログの読者で読んだ方からの反響も訊いて
みたいので、ドンドンコメントを送ってくださいね。