中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

わたしが最近読んだ本

 最近読んだ本の感想を書いてみようかなと思っています。
最近っていつからにしようかな?
 「みみずくは黄昏に飛びたつ」村上春樹川上未映子対談 新潮社
とても面白く読んだ。川上さんの鋭い質問がなかなかのものだ。
それで彼女の作品にも興味を持ったけれど、それはやめた。
村上さんはこれほどの鋭い質問をこれまでに受けたことがないのでは
と思うほどだが、さすが上手にこたえている。
 この作品でよくわかることは・・当たり前のことでもあるが、改めて
「小説」には何を書いてもよいということだった。それが具体的によく理解
できる対談になっている。
 「日の名残」  「忘れられた巨人
 「わたしを離さないで」  「わたしたちが孤児だった頃」 (早川書房
 イシグロさん独特の文章で、最初は少々戸惑うけれど、慣れるとどんどん
読み進める。彼の作品には村上さん同様に「隠喩」が多用されるので、その
隠喩がなにを意味するのかを理解できない人には読後感がよくないかも
知れない。隠喩は作品のタイトルにも顕れている。
 第158回芥川賞の2作
百年泥石井遊佳さん と「おらおらでひとりいぐも」若竹千佐子さん。
百年泥は私の知らないインドの側面を垣間見ることが面白かった。
タイトルの泥のようではなく、さらさらと流れるような文章で、さすが芥川
賞っていう感じ。。
「おらおらひとりでいぐも」は、東北弁が読み辛かったが、慣れてしまえば
違和感はなかった。ただ、著者の若竹さんは、本当の高齢者の気分という
ものをご存じないのだろうなと思ったし、それは選考委員たちにも言える
ことかもしれない。 
 どの本も深く内容に立ち入らないで書きました。本は読んだ方が感じ取る
ものであって、私の感想などは聞きたくないだろうと思うからです。
「流転の海」第8巻「長流の畔」宮本輝 新潮社
「流転の海」が発刊されたのは1992年だった。それから26年も経つ。
数年に一度という間隔なので読者からは早く続きを出してくれないと生きて
いるうちに読み終えられない・・といういう悲痛な訴えがあり、やっと最近は
間隔が短くなった・・とはいえ、第8巻の「長流の畔」が出てから1年8か月
経っている。今年には最終巻が発行されるだろうと、第8巻を読み直した
ところなのだ。出版間隔が長すぎるので、何度も読み返すことになってしまう。
今は文庫化されているだろう1巻~8巻を読んで最終巻の出版をお待ち
ください。 それほど・・面白い小説であり、宮本輝さんのお父さんの物語
でもあります。