ノーベル賞作家・・・・だと唸るような文章が多い。
ここでは、小説のなかでプロの政治家について語らせている部分を
抜き出してみたい。素晴らしい文章ですし、いい得て妙なのです。
『私にはあなたが”プロ”という言葉で何を意味しておられるのか、だいたいの
見当はついております。それは、虚偽や権謀術数で自分の言い分を押し通す
人のことではありませんか? 世界に善や正義が行き渡るのを見たいという
高尚な望みより、自分の貪欲や利権から物事の優先順位を決める人のことでは
ありませんか?』 (「日の名残り」 ハヤカワ文庫 149ぺーじより)