中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

迫ってきた米朝首脳会談の前に読んで下さい(長文)

 これだけ読めば米朝会談開催までのすべてが分かるほどに詳しく書いて
ありますので、少々長い文章になっています。ご了承ください。 

米朝首脳会談の開催が決まってから世界が慌ただしくなった。
この米朝首脳会談は韓国の文大統領の主導によってもたらされたと考えていいだろう。
言うならば、海のものとも山のもとも分からない・・程度の評価だった文大統領が一躍
世界の脚光を浴びる大舞台に躍り出てきたと言える瞬間だった。  この文大統領の
大舞台登場で日本の安倍首相はどんなにトランプ大統領と仲が良いとアピールしても
世界は振り向いてもくれない。
 このまま推移すればノーベル平和賞は文大統領に決まるだろうとおもわれてるが、
そこでも文大統領は 「私ではなくトランプ大統領が受賞されるべきだ」と述べているの
だから、なかなかの役者だ。
 北朝鮮金正恩氏はと言えば、正月のメッセージ以来柔軟な態度を崩してはいない。
ピョンチャンオリンピックを利用しての外交手腕は外交家としての実力の高さを見せつけた。
 中国へは列車をしたてて習主席に会いに行き関係を深めるとともに、中国に対して後ろ盾
を頼みに行ったのだろう。 ロシアにも特使を送って米朝首脳会談への協力を求めている。
 米朝会談の日程、開催場所決定のタイミングで今度は空路中国へ行き習主席と二度目の
会談を実現させている。 つまり、打つべき手はきっちりと打っているという感じの上に実行力
があるのがよくわかる。彼はお飾りではなく、自分でよく考えているようにも思えるし妹との
連携も支えになっているようだ。
 さて・・ここからが本題なのだが、米朝首脳会談は成功するかどうか????
私はとても疑問に思っている。まずは南北朝鮮首脳会談での「板門店宣言」やトランプ大統領
安倍首相の発言など多角的にみてみよう。 何事も多角的にみて、いろんな立場から考える
ことが肝要です。 ニィースに流されるのではなく、自分で判断する習慣が大切だと思っています。
 私はJA・NEWS新聞に20年近く世界事情を書いてきたこともあり、世界の動静に強く関心を
持っています。 この記事の最後まで読むと・・あっと驚くこともありますよ。
まずは・・板門店宣言から・・。
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   板門店宣言・全文  (ここは簡単に読み飛ばしてくださっていいですよ)

 1 南と北は、南北関係の全面的で画期的な改善と発展を実現することで、途絶えた民族の血脈をつなぎ、共同繁栄と自主統一の未来を早めていくだろう。
 南北関係を改善し発展させることは、全民族のいちずな願いであり、もはや先送りできない時代の切迫した要求だ。
 (1)南と北は、わが民族の運命はわれわれ自ら決定するという民族自主の原則を確認し、既に採択された南北宣言や全ての合意などを徹底的に履行することで、関係改善と発展の転換的局面を切り開いていくことにした。
 (2)南と北は、高官級会談をはじめとする各分野の対話と交渉を早期に開催し、首脳会談で合意した内容を実践するため、積極的な対策を立てていくことにした。
 (3)南と北は、当局間協議を緊密にし、民間交流と協力を円満に進めるため、双方の当局者が常駐する南北共同連絡事務所を開城地域に設置することにした。
 (4)南と北は、民族的和解と和合の雰囲気を高めていくため、各界各層の多方面の協力と交流、往来や接触を活性化することにした。
 対内的には、(2000年の南北共同宣言が発表された)6月15日をはじめ、南と北にともに意義がある日を契機に、当局と国会、政党、地方自治体、民間団体など、各界各層が参加する民族共同行事を積極的に推進し、和解と協力の雰囲気を高める。対外的には18年アジア大会をはじめとする国際競技に共同で出場し、民族の知恵と才能、団結した姿を全世界に誇示することにした。
 (5)南と北は、民族分断により発生した人道問題を至急解決するため努力し、南北赤十字会談を開催して離散家族・親戚再会をはじめとする諸問題を協議、解決していくことにした。
 差し当たって、今年8月15日を契機に離散家族・親戚の再会を行うことにした。
 (6)南と北は民族経済の均衡的な発展と、共同繁栄を成し遂げるため、(07年の南北首脳による)10月4日宣言で合意した事業を積極的に推進していき、一次的に東海線と京義線の鉄道と道路などを連結し、現代化し、活用するための実践的な対策を取っていくことにした。
 2 南と北は、朝鮮半島で先鋭化した軍事的緊張状態を緩和し、戦争の危険を実質的に解消するため共同で努力していくだろう。
 朝鮮半島の軍事的緊張状態を緩和し戦争の危険を解消することは、民族の運命と関連する非常に重大な問題であり、われわれ同胞の平和的で安定した生命を保証するための鍵となる問題だ。
 (1)南と北は、地上と海上、空中をはじめとするあらゆる空間で、軍事的緊張と衝突の根源となる相手に対する一切の敵対行為を全面的に中止することにした。
 差し当たって、5月1日から軍事境界線一帯で拡声器(宣伝)放送やビラ散布をはじめとするあらゆる敵対行為を中止し、その手段を撤廃し、今後非武装地帯を実質的な平和地帯としていくことにした。
 (2)南と北は、黄海北方限界線一帯を平和水域とし、偶発的な軍事衝突を防止し、安全な漁業活動を保証するための実質的な対策を立てていくことにした。
 (3)南と北は、相互協力と交流、往来と接触が活性化することに伴うさまざまな軍事的保証対策を講じることにした。
 南と北は、双方間に提起される軍事的問題を遅滞なく協議、解決するため、国防相会談をはじめとする軍事当局者会談を頻繁に開催し、5月中にまず将官級軍事会談を開くことにした。
 3 南と北は、朝鮮半島の恒久的で強固な平和体制構築のため、積極的に協力していくだろう。
 朝鮮半島で非正常な現在の休戦状態を終わらせ、確固たる平和体制を樹立することは、もはや先送りできない歴史的課題だ。
 (1)南と北は、いかなる形態の武力も互いに使用しないという不可侵合意を再確認し、厳格に順守していくことにした。
 (2)南と北は、軍事的緊張が解消され、互いの軍事的信頼が実質的に構築されるのに伴い、段階的に軍縮を実現していくことにした。
 (3)南と北は、休戦協定締結65年となる今年、終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制を構築するため、南北米3者、または南北米中4者会談の開催を積極的に推進していくことにした。
 (4)南と北は、完全な非核化を通して核のない朝鮮半島を実現するという共通の目標を確認した。
 南と北は、北側が講じている主動的な措置が朝鮮半島非核化のために非常に意義があり重大な措置だという認識を共にし、今後それぞれ自らの責任と役割を果たすことにした。
 南と北は、朝鮮半島非核化に向けた国際社会の支持と協力を得るため、積極的に努力することにした。
 両首脳は、定期的な会談と直通電話を通じ、民族の重大事を随時、真摯に議論し、信頼を強固にし、南北関係の持続的な発展と朝鮮半島の平和と繁栄、統一に向けた良い流れをさらに拡大していくために共に努力することにした。
 差し当たって、文在寅大統領は今秋、平壌を訪問することにした。
 2018年4月27日
 大韓民国 大統領 文在寅
 朝鮮民主主義人民共和国 国務委員会 委員長 金正恩
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  アメリカは6月初旬までに予定される米朝首脳会談で、北朝鮮核兵器の廃棄を求める意向を表明した。
 トランプ氏が、自ら目標とする「北朝鮮の非核化」の具体的な内容を説明するのは初めてだ。
 トランプ氏は、訪米中のフランスのマクロン大統領とホワイトハウスで共同記者会見を開き、「北朝鮮の非核化を見たい」と強調した。「非核化」の意味については「非常に単純で、(北朝鮮が)核兵器を除去することだ」と述べ、米朝首脳会談の場で、金正恩朝鮮労働党委員長に対し、直接要求する考えを示した。
                ******

 安倍総理大臣は「北朝鮮のすべての大量破壊兵器および、あらゆる射程の弾道ミサイルの完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄の目標を堅持すべきだ」と述べました。
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 5月7日~8日、金正恩氏は中国大連に行って中国の習金平氏と2度目の中朝首脳会談を行いました。
その時の会談の骨子は次のようなものです
 金正恩委員長
  ※ 「各国からの敵視政策がなくなれば核保有は必要なく、非核化は実現可能である」
  ※ 「米朝対話を通じ相互信頼を築きたい。」
  ※ 「非核化には段階的措置が必要」
  ※ 「核実験場閉鎖、核、ミサイル実験停止は平和と安定を守る意思の表れ」
  ※ 「米朝首脳会談を支持する」
  ※ 「朝鮮半島問題解決へ中国も積極的役割を発揮する」
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 この骨子の中で重要なことは、関係国が北朝鮮への敵視政策と威喝を止めさえすれば
 核を保持する必要はないので非核化は実現する・・としていることだろう。
 日米が、なにがなんでもすべての核兵器、実験場などを破棄すると共に、長短問わず、
 すべてのミサイルの破棄を求めているのとは、かなりの開きがある。
  北朝鮮としては、まだ国家として認めてくれてもいないアメリカや日本が北朝鮮を敵視
 しているが問題であって、まず他の多くの国々のように北朝鮮を国家として認め、国家の
 安全が保障されるなら核もミサイルも必要がなくなる・・と言う言い方をしています。
  いろんな論評を見るとその立場によってみかたが違っていることが分かります。 
 このような一国の存亡を賭けているような外交交渉では文言(もんごん)の言い回しがとても
 微妙なのです。
  北朝鮮にすれば、文句を言わずにミサイルも核も放棄せよというのはあんまりだ。
 それでは丸裸同然ではないか。脅威を受けているのは北朝鮮の方であって北朝鮮
 脅威を与えているのではない・・・と言いたいようだ。
  こういう文言から行けば、米朝首脳会談で、一気に何もかも解決すると考えるのは甘い
 かもしれない。会談が決裂してアメリカから攻撃を受けないように中国のバックアップを
 願っての中国訪問だったと思える。
   ところが31年も前に北朝鮮が描いていた南北朝鮮問題が明るみに出てきた。
 北朝鮮アメリカに「韓国と連邦制中立国を創設したい」という意向を示していたとのことだ。
北朝鮮は1987年に、「韓国との連邦制統一を経て中立国を創設するという提案を米ソ首脳会談に
出席したソ連首脳を介して米国に密かに伝えていた」というのだ。
30年以上たったことから、その機密文書が解除された。
 1987年12月にワシントンのホワイトハウスで開かれた米ソ首脳会談の際、ソ連ゴルバチョフ
書記長が北朝鮮の依頼を受けてレーガン米大統領に渡した文書には
▼南北それぞれ10万人未満の兵力維持および核兵器を含めたあらゆる外国軍隊の撤退
▼南北が署名する不可侵宣言
▼休戦協定を平和協定で代替
▼南北の軍を「民族軍」に統合
▼南北が第三国と締結した民族の団結に反するあらゆる協定・条約の破棄
▼南北で構成された連邦共和国の創設および共和国が中立国・緩衝地帯であることを宣言する憲法採択
連邦共和国の単一国号での国連加盟
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 どんどん長くなるので、この辺りでやめますが、皆さんも関心を持って米朝首脳会談
 見守りましょう。 イラン合意から離脱したアメリカのイスラエル寄りが気になります。
 早速中東では波乱模様が現れていますし、中東の今後が心配です。北朝鮮アメリカの
 イラン合意離脱をどのようにとらえているのでしょう。 非核化の場合、最低でも韓国からの
 米軍撤退を条件とするだろうと思うし、場合によっては沖縄からの米軍撤退も言い出すかも
 しれない。
  最後までお読みくださってありがとうございます。