中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

トランプ氏は大きな賭けに出ている

 6月12日・世界に新しい夜明けが訪れるだろうか。シンガーポールで行われる
米朝首脳会談(場合によっては、中韓も)のことである。
 何もかもうまくいけば、少なくとも東アジアには安定的な時代を迎えることになる
だろう。
 北朝鮮が核実験場を破壊し、核兵器を破棄し長短ミサイルを破棄し、朝鮮戦争
休戦から終戦宣言に米、中、北が署名すれば・・何もかもうまくいく。
アメリカと日本が望んでいる決着のつけ方であるからだ。
 しかし、北朝鮮側から見れば、それは「一方的な敗北」と思うだろうし、それでは
国民も黙ってはいないだろう。
 だから、この首脳会談は落としどころが難しい。中国も北朝鮮が核を持つことには
反対だろうから、非核化は段階的なものであれば実現可能だとおもう。
 トランプ氏としては秋の選挙で共和党に勝ってほしいから国民に対してポイントを
上げておきたいだろう。 人質解放だけではポイントとは言えないだろうし、首脳会談
で大きなポイントを確保したいところだ。 
 トランプ大統領とすれば、北朝鮮に大きな見返りを与えて一気に非核化を実現したい
だろう。 大きな見返りとは北朝鮮を国家と承認しお互いに大使館を設置し、外交関係を
正常化する経済封鎖を一気に解くというものだ。 トランプ氏とすれば、ここは一気に
賭けに出たい事情があるともいえる。
 先日トランプ大統領は、西欧諸国の首脳が10年もの年月をかけてやっとこぎつけた
イラン核合意から離脱すると宣言した。その結果として早くもイランとイスラエルが互いに
ミサイルを打ちあっている。 中東に一気に不安定要素が増して、日本のガソリンなどの
高値にもつながっている。
 トロンプ氏とすれば、北朝鮮を一気に非核化して、その勢いでイランの非核化も実現
しようとしているのだとおもう。 しかし、北朝鮮の実力とイランのそれとは違う。
トランプ氏はイランも北朝鮮も同じようなものだと考えていて敬意と言うものがないようだ。
キリスト教イスラム教の対立という以上に信頼感情の違いが大きい。
 イラクやイランと言えば世界の文化をリードしてきたという自負を持った国なのだ。たか
だか何百年の歴史しかないアメリカに振り回されたくないという思いが強いだろう。
 中東の安定のためにイランの非核化を図ろうと、北朝鮮と取引してでも・・と、トランプ
氏が考えているとすれば・・大間違いだろう。
 結局は・・上手く行って北の段階的な非核化と段階的な経済封鎖解除。朝鮮戦争
終結と言うお土産。北朝鮮を国家として認めるか否かが最大のポイントかもしれない。
 アメリカが北を認知すれば、日本もそれに従う??だろう。 そこで、初めて拉致問題
解決の糸口ができるということになるのではと、思っている。