中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

米朝首脳会談・予想通りの展開

 米朝首脳会談は12日にシンガーオール開催が確定したが、
会談での内容もこれまで予想してきた展開になってきた。
 何度も言うようだが、北朝鮮アメリカに国家として承認されたい
ことをなににもまして痛切に願ってきたのだった。
 それは「婚外婚で生まれた子供が父親に「認知」してほしいと願って
いる子供のようだ」と例えられることもある。
 世界の中で北朝鮮を国家として承認していないのは、アメリカ、大韓民国
日本、フランス、エストニアイスラエルなど数えるほどしかないが、北朝鮮と
国交がある国は162カ国以上あるようなのだ。
 北朝鮮としてみれば、アメリカさえ承認してくれれば他の国も追従して
くれるだろうと考えている。
 アメリカに認めさせるにはどうすればよいのか・・北朝鮮は・・それだけに
全てを捧げてきたと言えよう。 アメリカと対等に向き合うには、核を持つこと、
アメリカ本土を攻撃できるミサイルを保持すること・・そして・・それを成し遂げた
からこそ、首脳会談開催にまで辿りつけたのだった。
 ようやくにして「面談して交渉できる」までになったのだった。だから、その席で
いきなり、直ぐにすべてを放棄せよ・・さもなくば・・攻撃するというような大上段
に構えたようなトランプの要求がのめるはずもない。
 いきなり、何もかも捨てて裸になれと言われても・・そうはいかないだろう。
まずシャツ一枚から脱いでいくような手順を要求するだろう・・とこれまでに
書いてきた。  トランプ大統領は、初めての交渉ですべてを求めないことを
明らかにした。 12日の首脳会談は「顔合わせ」だと言っている。裸になることを
要求しないことをはっきり宣言した。
 もちろん・・これはトランプ大統領にとっても有利なはずなのだ。トランプ氏に
とっても北朝鮮との交渉は「切り札」でもある。 一気に裸にさせたところで、その
成果はいつまでもアメリカ国民の脳裏に残るはずもない。 秋の中間選挙、3年後の
大統領選挙を見据えれば、「トランプ氏がいないと北朝鮮と交渉ができない」と国民に
思わせ続ける方が得策なのだ。
 そういうトランプ氏の計算(かれはビジネスマンであり、こういう駆け引き、計算が
上手い)の中で導き出されたのが、一気の非核化を求めない・・ということであろう。
 そしてトランプはこうも言っている「今後は北朝鮮の経済復興に韓国、日本、中国が
援助すべきだ。アメリカは多くは出さない」とも。
 日本の安倍政権にとっては、もっとも恐れる結果となった。北の脅威論を強く展開
して、アメリカにも「北の脅威論」をぶつけ、トランプに同意を求め続けてきた。
その上に、首脳会談では「拉致問題」を取り上げてほしいと、おねだりもしてきた。
 そういう安倍首相の思惑はすべて排除された。 アメリカが北朝鮮を承認し、朝鮮
戦争の終結にサイン(今回の会談ではなく・・近いうちに)すれば、韓国も日本も
追従を余儀なくされよう。 そこに改めて顔を出してくるのが、北朝鮮に対する賠償
問題である。 日本は巨額の戦時賠償金を支払わされることになるのは目に見えて
いる。 これまで、日本はドイツのように戦後処理をきちんとしてこなかったツケが
これから始まると考えなければならない。 その問題がきれいに終結して、本当の
アジアの安定が実現するのだろう。 拉致問題はすでに解決済みとして北朝鮮
取り扱わないと昨日の新聞論調に書いたようだ。 解決済みとしたのは小泉首相
との交渉であり、サインである。
 非核化を急がないのがトランプにとって有利だという考え方は、まだどこのメディア
でも書いていないが、近いうちに私と同じ見解を書くメディアが出てくるだろうと思う。