妻は麺類が大嫌いだった。
どうして嫌いになったのかというエピソードがある。
給食に出たラーメン(昔のことで、今風のラーメンではないが)
は、妻にとって初めて見る、食べるものだったので、しばらく
箸を手にしないでいたらしい。
見ているうちに・・・麺がどんどん伸びて増えていく。食べ始めて
からも減らないで増える感じ。美味しくない上に・・どんどん増える。
もういや~!! と思ったらしい。
それから何十年とラーメンが嫌いになったそうな。そういえば
麺類全般に好きじゃなかったのだけれど、私が麺類大好き人間なので
次第に食べるようになり、うどんやそばは良く食べる。
ところがラーメンだけは好きになれないらしい。
6年前のある日、出かけた帰り道、道端のラーメン屋さんに誘った。
電飾の立派な看板がいつも通るたびに気になっていたからだ。
一度ラーメンを食べてみないか・・・というと、仕方ないね・・という感じで
その店に入った。
結果を言うと、世界一不味い店だった。選りによってなんでこんなに
不味い店に入ってしまったのだろうと悔やむけど仕方がない。
それ以来、妻はますますラーメン嫌いになってしまった。
ところが、何を思ったのか、食材を買ったときに韓国の「辛」ラーメンを
買い物かごに入れていた。不思議なこともあるもので、それにはまってしまった。
月に一度程度ではあるが、スープを一滴残らずという感じで食べている。
妻が「辛」を食べる時、私は痔に悪いようにおもえるので敬遠して、他の
ラーメンを食べている。こうして、最近の3か月、月1の割合でラーメンを
食べることになった。
今朝がた、起きようと思うと、まだ妻が眠っている、ふと見ると、いい顔を
している。化粧したときよりもいい感じだなと思ってしばし眺めていたが、
何とも柔和な顔なので、起き上がった時に聴いてみた。
「なにか夢でも見ていた?」 「どうしてわかるの? あのね、ラーメンを
作る時間が4分30秒なんて・・」そんな夢・・という返事。
ラーメンの夢でいい顔ができるとは・・好みも変わるものだなと・・思う。