中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

拉致問題・奥の深い難題多く

北朝鮮側が日本人拉致被害者らの再調査について結果報告の延期を
伝えてきた。
安倍首相は「引き続き対話と圧力の原則を貫き、すべての拉致被害者
帰国を実現すべく、全力を尽くす」と述べるにとどまっている。
さて、何を再調査するのだろうか。
答えは、北朝鮮も日本政府も分っているはずなのだ。
それでも、日本政府は圧力行使以外の解決法を持っていない。
北朝鮮は、それを見越したうえでのらりくらりという姿勢をとっている。
実は、日本政府もその北朝鮮の姿勢に乗っかっていると言うと言いすぎか。
政府は拉致家族の対応に苦慮している。
拉致家族がどんどん高齢になって、静かになっていくのを待っているかのようだ。
政府には、「それしかない」という理由があると思えるが、口に出しては言えない
ことだろう。歴代内閣がこうして時間稼ぎをしてきた。
国民の多くも、この問題に大きな関心を見せないのも、政府をとっては有難い
ことなのだ。
圧力と言ってもたいした内容ではない。米が10万トンとか20万トンなどと言うのは
小さな話なのだ。
国際法的には北朝鮮とはまだ戦争状態にある。日本が北朝鮮に支払う戦時賠償を
考えれば、髪の毛1本にもならない額なのだ。
政治的な駆け引きの中にある拉致問題は、先送りしたくなるのだろう。
拉致問題が起こった当時、ある外交官が言った。
「難しい問題だよね。日本が戦前に北朝鮮人をどれだけ拉致してきたかを考える
とね。だからって日本の拉致された家族には、辛抱しろとは言えないだろうし。
政府はこれから対応に困るだろうな」と。
この問題は、最初からほとんど先進していないのだ。小泉劇場に騙されたような
気もするが、あれが政治的には精いっぱいだったのかもしれない。