中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

急性期医療と終末期医療の違い

★ 昨年11月に初めて後鼻漏になった。かかりつけ医のクリニックでの抗生剤点滴を
 二日間受けるとと同時に抗生剤も服用しステロイド剤も服用したが治らず、耳鼻科での
 吸引を5日間受けて治癒したことは、以前にも書いた。
★ 今年2月に、2度目の後鼻漏となり、クリニックで同じような経緯を経て治らず、
 耳鼻科での10日間にわたる吸引でも治らず、ドクターが「今回はしつこい症状だから、
 一度これを飲んでみてくださいと渡されたのが、ツムラ漢方薬104番の「辛夷清肺湯」
 だった。一日2包を5日間分処方された。まことに不思議なことに、あれほど辛かった
 症状が突然のごとく消え失せて完治した。
 そしてこのことをクリニックのドクターに報告すると「そういうこともあるのですね、
 辛夷清肺湯のことは初めて知りました、良い情報をありがとう」と言ってくださった。
★ 4月28日に3度目の後鼻漏(こうびろう)の症状が出たが、早めに気づいたので
 抗生剤の点滴はしないで、抗生剤の服用と、「辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)」が
 処方された。前回の治療の際の私の報告を受けてドクターが処方してくださったのだが、
 一日3包で2週間分だった。
 私は、前回同様に一日2包の方が安全だと思ったので、そのようにした。
 11日後の5月9日が毎月出していただいている喘息関連の薬の処方をいただくために
 クリニックに行き、聴診器での診断でも「喘息は安定していますね。音が聞こえません」と
 言われていた。そして追加の辛夷清肺湯が2週間分出ていた。
★ ところが、その日に呼吸が困難になってちょっとした坂道も歩くこともできないほど苦しい
 症状が出た。
 だが、ぜんそくの時の苦しさとは全く違う。喘息が悪化したときは狭窄音があり、それは手を
 胸に当てて大きな呼吸をすることで自分でも感じることができる。
 ところが、今回の場合は、喉から食道、そして喉下に掌を置いた部分がとても苦しく痛みが   伴っていた。
 翌日、土曜日の昼過ぎからどんどん症状が進み、いったいどうなったのかと思えるほどに
 痛く、苦しい。土曜日ということもあり、救急車を呼んでみたとて、なんとか対応して
 もらえそうにないと様子を見ることにする。
★ この時点で、漢方薬の副作用ではないかと思い検索してみると、めったに出ない副作用
 というところに「間質性肺炎」と書かれていた。これは間質性肺炎になりかけているの
 かもと思いぜんそく管理のためにいつも持っているステロイド錠を増やして対応する
 ことにした。
 日曜日は一日中痛さと苦しさに襲われたがステロイド錠の対応を続けた。
 痛みは、喉から食道、そして肺の上部へと広がっていたし、もし、この状態が続けば
 肺全体に及ぶのではないかと恐れた。そうなれば手遅れにもなりかねないと。
★ 月曜日の午前中に関本クリニックを訪れた。私の最期を看取っていただくように
 お願いしている先生なので、2,3か月毎に一度は報告がてら訪ねている。
 この日、あまり詳しいことを言わず、症状を訴えると「間質肺炎かも」と即座に仰った。
 さすが、終末期医療の大専門家だと思った。
 そして、ブレドニン(ステロイド錠)を土曜日から飲んでいますというと「それは大正解です、
 それしか対応がないですからね。ブレドニンが手元にあってよかったですね。と仰った。
 それ以外の薬は不要ですねと。
★ 今日は火曜日。そしてもう深夜であるが、もう間質肺炎の危機から脱出したように思う。
 漢方薬小柴胡湯なども間質性肺炎をもたらすことがある。
 問題は、服用する患者がどんな体調かが問題だと思う。辛夷清肺湯も適応は「中程度
 以上の体力を有する人」となっている。私の場合は、持病がいろいろある上に高齢だから
 中程度以上の体力はないのだろうと思う。
 だから、1日2包X5日間という耳鼻科の処方が正しかったのだと思う。
 一般的には1日3包となっているが、患者の体調を診て処方するところを、ドクターが
 多少軽率だったのかもしれない。
★ 急性期治療が専門のドクター(クリニックや大病院など)は、このようなケースにあまり
 出くわさないのかもしれない。
 その点、さすが終末期医療を数多く手がけてこられた関本先生は、このような症状の
 患者を何度も経験されているだと思う。
 経験がものをいう局面でもある。急性期医療と終末期医療との経験の違いを今回よく理解
 できたように思う。終末期医療の専門医にかかることを嫌がる患者が多いが、それは
 間違いではないだろうか。
 自分の年齢、体調や、症状をよく観察して、終末期医療の専門医を訪れることも選択肢
 に入れるようにお勧めしたい。
★ 医療は経験に基づく判断が大事であって、学識だけではわからないこともあるのでは
 ないかとおもう。普段どのような患者と向き合っているドクターかということも、情報の
 一つに入れておきたいものだ。
 
 
 。