中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

STAP騒動の行方は?

 STAP細胞問題は、小保方さんの処分だけでは済まない深い背景がある。
 理研は小保方さんの不正を確定し懲戒委員会に掛けることを決めたが
 どういう結果になるのか、注目される。
 もちろん、理研の発生・再生科学総合研究センター長でもあり論文の共同
 責任者でもある笹井氏の処分は避けられない。
 今回の騒動の背景にあるものは今国会で提出される予定だった「特定国立
 研究開発法人」に指定する法案だろう。
 特定法人の候補として、理研産業技術総合研究所の二つが挙げられていた。
 STAP問題がなければ今国会で法案が提出され、理研と産業研が特定法人
 となっていただろう。
 特定法人に指定されれば膨大な予算が組まれる。そして世界をリードする
 高い水準の研究所作りへと向かう筈だった。
 特定法人指定を前に、小保方さんのSTAP細胞に理研が飛びついたことは
 間違いない事実である。
 それは、STAP細胞の発表記者会見の場で、笹井副センター長が誰よりも
 興奮して記者の会見に応じていたことでもわかる。発表記者会見のビデオ
 をみると、笹井氏がリードして発言しているのだ。
 そして、iPS細胞との比較までして見せたのも理研の側であり、小保方さん
 がやったのではない。
 特定法人の指定は見送られ、産業研もあおりを食って見送られた。
 秋の臨時国会に再提出される予定があり、理研はそれまでにこの問題の
 決着をつけたいと焦っている。
 小保方さんは、ある意味においては犠牲者でもある。
 これまでにも世界を騒がせた論文問題というのは少なくはありまません。
 しかし、今回のような大騒ぎにはなっていないのです。
 こんな話もあります。
 サーチュイン遺伝子が人の寿命を延ばすことができるとして、サーチュイン
 遺伝子を活性化できる物質の開発研究が盛んだったころがあります。
 サーチュイン遺伝子を活性化できるレスベラトロールという物質が見つかり
 まりしたが、ハーバード大学の医学大学院のシンクレア教授は、サチュリス社
 というベンチャー企業まで立ち上げましたので、世界の多くの人々が大いに期待
 したものです。万能細胞よりも、寿命を延ばせるという物質の方が期待度は高いのは
 当然です。
 しかし、この研究はネズミのような小動物には効果があっても人間にはまったく
 効果がないことが分っておじゃんになってしまいました。
 研究と金とはいつも大いに関係があります。