皇后陛下が静養されていると聞く。両陛下のあちこちの行事へのご出席
の姿を見るたびに、公務を減らされたらよいのにと心を痛めてきた。
私は14年前の1999年に、皇居内御所に両陛下からご招待を受けた。
御所の玄関まで出迎えて下さり、両陛下から握手していただいた。
わが国では、首相であっても両陛下から握手されることはないと宮内庁の
方から説明があった。
私の場合は、オーストラリアの日本人を代表する立場だったので、外人と
同じ扱いとして握手してくださった。1時間のあいだ、手の届く位置でお話し
する貴重な機会をいただいた。帰る際にも玄関までお見送りくださり、握手
していただいた。あの時の美智子皇后の柔らかい手で、ぎゅーっと強く握りしめ
て下さった感触が今も忘れられない。
そのご帰国したので、日本に住んでいる日本人では両陛下から握手をして
頂いたのは、私だけではないかと思っている。
御所への訪問を機会に、両陛下の公務と言うものがどういうものかに関心があり
調べた。そして、あまりにも公務が多いことに驚き、両陛下のお働きの凄まじさに
感心させられたものだ。
最近は、両陛下の存在意義が薄れていると思うが、日本の外交にとって、どれだけ
大きな貢献をされているか、もっと国民は知るべきだと思う。
しかし、ほとんどの国民は、両陛下の日常について知らされていない。それは
周知を図るべきだと思っている。
間もなく80歳と79際になられる両陛下にとって、今のままの公務量はあまりにも
過酷だと思う。宮内庁は、両陛下の公務の削減と、国民への説明をきちんとすべき
ではないのかと、怒りさえ覚えるきょうこのごろである。