中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

10年前の記事(その2)

前回の続きになります。
長くて済みません。
 
小泉政権の行方」
 
 今度の来日に向けてブッシュは「イラク攻撃などを日本政府と協議するため」と事前に明言していた。今度はイラクを何らかの理由をつけて攻撃するつもりらしい。そして,その理由が「大量破壊兵器を作り他国に売却する悪の枢軸国」だと言うことだそうである。
 確かに、イラクもイランや北朝鮮も兵器を作って売っているであろう。しかし、最も多く兵器を作り他国に売っている国は、アメリカ、英国、ロシア、中国,フランスである。それらの国の兵器削減を考えた上ならともかく、国防予算を前年度より大幅に増やしている国が、他国の兵器製造はけしからんと言うのは、どこか間違っているように思えてならない。アメリカの覇権主義があらわになってきたと言うことだろう。
 景気が悪くなれば、景気回復のために戦争を起こす。これが世界の経済学の常識?のようである。ブッシュ政権はまさしくこの道を真っ直ぐに歩いているようだ。
 そのような、好戦的なブッシュ政権に媚び、ブッシュに寄り添って歩こうとする小泉政権にはまもなくもっと厳しい試練がやってくるだろう。
 早くも経済界から京都議定書を批准しないで欲しいと要望が出された。批准期限が近づいているこの次期に、経済界はアメリカに足並みをそろえた方が得策だと判断したのである。環境を重視するか経済を重視するか、ヨーロッパ各国の推進する京都議定書をあくまで批准するか,アメリカの意向を受けて何らかの細工を施すか、小泉政権は選択を迫られている。
 ここに来て、銀行救済のために再び「公的資金投入」問題が浮上してきている。下がりつづける株価のために含み資産が減り自己資本率の低下によって銀行経営が苦しくなってきているからである。公的資金をどのように使おうとするのか。不良債権に限って使うことができるのか?その運用を間違えば日本経済はもっと悪い方向に向かうだろう。
 橋本政権などによる「失われた十年」によって日本は没落への道を歩いている。頼りない政治家と、頭でっかちの官僚によって日本は迷路に迷い込みダッチロールを繰り返しながら落ちていくのだろうか。
 
 ブッシュ大統領のような好戦的な政権に対して、もっと毅然とした態度で臨んで欲しい小泉さんであるが、今回のブッシュ来日に際して以前よりも強い「約束事」をしてしまったようである。この新たな「約束事」が小泉さんを追い込むことになるかもしれない。
中曽根がレーガンによってプラザ合意を結ばされ、日本を堕落の道に追い込んだように、小泉もまたブッシュによって翻弄されるのであろうか。
 小泉政権は来年には崩壊すると思われるが、かといって後釜がない。橋本が復活を狙っているようだし、福田官房長官までは少し距離がある。石原東京都知事をという声も聞くが、それはとんでもないことである。田中真紀子さんと同様に何をしでかすか分からない人には、都は任せられても国は任せられないのではないか。後継者がもたもたしていると小泉さんにもう1回ということもあり得るが、アメリカの中間選挙の結果も見逃せない。
 なぜならばアメリカ第2位「エンロン」破綻の陰には、アメリカ政権を揺るがす問題が隠されているようだからである。エンロン問題は日本にも飛び火する可能性があり、なんでも「公開せよ」と迫るアメリカ政権が、エンロンに関しては「臭いものに蓋」の姿勢を貫いているからである。エンロン問題次第ではブッシュ政権が吹っ飛ぶか、再選が難しくなるだろう。
 日本の政治もいまや世界戦略の中で動かされる時代である。中国の覇権主義アメリカの覇権主義がぶつかり合うだろうこれからの世界にあって、日本はどのような道を歩めばいいのか。国民はもっとしっかり政治を見ていなければ、頼りない政治家と、頭でっかちな官僚によって地獄まで連れて行かれるかもしれない。
 もっと政治に興味を持とう。もっと世界情勢を把握しよう。考えている以上に世界は複雑怪奇に動いている。一日一日私達も巻き込まれながら世界が動いている。他人事ではなく私達の足許にあらゆる問題が迫っている。
 旧態依然とした日本の社会の中にあって、一人一人の国民がもっと目覚め考えるべきである。それはいまやイデオロギーの問題ではなく、民族、宗教、経済など、なにもかも包含した世界問題である。それを深く知るためには、新聞やTVのニュースに頼っていられない。あらゆる方向にアンテナを向けていなければならない時代が来ているのである。
 日本を救う道はあるのか?おりしもブッシュ大統領が日本の国会で演説した中にヒントが隠されているかもしれない。ブッシュはその演説の中で「日本は明治維新で生まれ変わった。いま小泉首相が推し進める構造改革を維新と考えれば日本は生まれ変われる」と。
 私は、これをヒントに考えた。今の政治家や高級官僚を信頼している国民はどれほどいるだろうか?戦後教育の中で政治家も高級官僚も徳川末期のように腐敗堕落してしまっている。構造改革などというものではなくて、国民の一人一人が立ち上がる「維新」を起こさなければ日本の未来がないのではないかと。これは極論だが、そう思えるほど今の日本は奈落の淵にいる。