中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

新型インフルエンザ特集(その二)

今回の新型インフルエンザの一番の特徴は、これまでのインフルエンザが
喉のあたりでウイルスが増殖するのに対して、新型インフルエンザウイルスの
場合は、肺で増殖することにある。
そのために、いきなり肺がやられて呼吸困難となるケースが多く、感染してから
重篤になるまでの時間も早いようだ。
こういう場合、何よりも人工呼吸器が必要なのだが、どこの病院も人口呼吸器の設置
台数は多いとは言えず、不足気味なのが現実である。

オーストラリアでも、緊急を要さない患者の手術を延期して新型インフルエンザ
患者のために人工呼吸器を廻している現状らしい。
日本の場合、9月から10月にかけての流行期までにワクチンの製造が間に合い
そうもなく、感染者は爆発的に増えるに違いない。

ワクチンの製造が遅れている原因はいくつかあるが、大きな一つの原因は、これまでの
インフルエンザワクチン一人分に製造に必要な有精卵は2個で充分であったのに、
新型インフルエンザワクチンの場合は、なぜか一人分のワクチンに有精卵が倍の4個も
必要なのである。

有精卵は、そこらあたりのスーパーマーケットで売られている卵とは違って簡単には
生産出来ない。雌鶏に雄鶏を交配することで有精卵が生まれるのだから、生産には
限度がある。
無性卵ならメス鶏をケージで飼育して何十万羽も飼育できるが、有精卵の場合はケージ
飼育は難しく(大きなケージを使用する場合もあるが)平飼いして交配する場合が多いので、
飼育場にも限界がある。

従来のワクチン製造の倍の4個の有精卵が一人分のワクチン製造に必要となれば、
おのずから生産能力が落ちてくるのは仕方がない。
ただ、それにしてもワクチン製造にどうしてもっと本腰を入れていなかったのかを
政府は問われるだろう。
ワクチンを打ったからと言って新型インフルエンザに罹患しないとは言えない。
やはり、感染を避けるためには、それぞれ各自が心して生活しなければならない
のだろう。
とはいっても、私のように3つも4つもリスクを持っている人間には、死神が追っかけて
来ているようにも思えるものだ。

目に見えないウイルスと言う敵はやはり厄介なものだとつくづく思う今日この頃である。