4年ぶりの総選挙は民主党の圧勝という形で終わった。
「民主党圧勝」なのか「自民党惨敗」なのか、表現は難しいと言うのが正直な気持ちだ。
民主党がすぐれているから圧勝したのか、自民党が頼りないから惨敗したのか。
新聞やTVの報道を見ていても同じような論評が多いし、街の声にも同じ傾向が見られる。
私が敢えて「民主党圧勝」を先に書いたのには理由がある。
特に最近の2年間の政治傾向などを詳しく見てきたが、民主党中堅の勉強ぶりが際立っていた。
年金問題や医療問題などでは自民党に敵なしという感じすらしたものだ。
自民党では舛添厚労大臣の総裁就任への声が高いようだが、それは舛添厚労大臣の働きを
国民が買っているという判断に基づく。
しかし、私に言わせれば国民が欺かれているだけであって、その判断は間違っている。
年金問題や医療問題にあっては、民主党議員の厳しい追及を受けて舛添氏も成長出来
たのである。
少なくとも、厚労省関係にあっては民主党に政権が移っても何の心配も要らないほど、
民主党に人材は沢山いる。
心配なのは経済関連である。
今の自民党にも人材はいないが民主党にも優れた人材がいるのかどうか危惧される
ところではある。
「ミスター円」と呼ばれた榊原氏が浮上してくることは間違いないが、彼には確たる
実績がない。民主党が財政運営にどんな手法を見せるか、注目してみたい。
自民党が準備していた・・・というよりは、官僚に準備させていた・・来年度予算は
全面的に見直すと言う。時間的に間に合うかどうか心配だが、ぜひとも予算の見直し
はやってもらいたい。無駄遣いを洗い直してもらいたい。
ただ、民主党があてにしていた『埋蔵金』は度重なる民主党の厳しい追及の中で、
官僚たちがうまく隠してしまった可能性もあり、これまでに無駄遣いしてしまった
可能性もある。どれだけ残されているかは疑問である。
外交問題では心配していない。自民党外交が下手だっただけに、誰がやっても
同じだろう。
アメリカ、アジア重視の外交姿勢を貫いている限り、大きな破綻はない。
新人が半分もいる民主党は、小泉チルドレンが大量に作られた自民党と似通っている。
これまで野党として、素晴らしい勉強期間があった民主党だが、新人議員たちが、
地道な勉強をしてくれるだろうか・・それが、今後の民主党の行方を決めるだろう。