何処にでもあると思っていた「砂」が枯渇している。砂の枯渇問題は国連でも問題になっている。
砂の用途は広い。
(1)ろ過用。砂の需要が多い濾過とは、何に使うのでしょうが。
私たちの生活に欠かせない水道水を作るために、無くてはならない存在なのです。大きさの異なる砂利、砂を何層にも重ねて濾過する。特に小さなサイズの揃った砂を獲得するのは大変なのだそうだ。
(2)ガラス用。ガラス製造には、鉄分の無い砂を必要とするが、確保するのは大変だそうだ。
(3)コンクリート用。
建築には、最も大量に砂を必要とするのがコンクリートで、ビルなどは砂でできて言ると言っても過言ではない。
コンクリートの80%は、砂利と砂なのだ。住宅作り、マンション建設などのビルには大量の砂を消費する。
(4)埋め立て用。砂の質は問われないが、埋め立てには大量の砂が必要だ。
(5)希少金属採取。
半導体がなくては世界が回らない時代となった。ロケット、飛行機、自動車などにも半導体が必要だ。
パソコン、スマホも半導体が必要だ。それらに必要なレアメタルは地上でも採取出来るが、海亭の砂からも採取する。
日本だけが1年間で消費する「砂の量」を考えても
膨大なものだが、世界で消費する砂の量は膨大すぎて想像も出来ない。
一旦コンクリートに混ぜられた砂は、二度と砂に戻ることはない。
言い換えれば、砂は、どんどん消費され還元されることはない。
だから、世界中の国が「砂を巡って争奪戦」を繰り広げている。
十四億人を擁する中國などは、国内のビル、道路などの建設ブームなどによって想像を絶する砂を必要としている。
中国は、2007年に砂の輸出を禁じている。禁じるだけでなく、膨大な量の砂を海外から輸入しているのだ。
砂の戦争を知るだけで、中国という国の桁外れの実力を思い知らされる。
国家というより、民間経済の壮大さに驚く。アフリカ諸国にまで、「砂」の手配をしているのだ。
作っているが、外国の海岸線近くから、砂を吸い上げ、一旦フィリピンなどに運び、フィリピンの輸出許可を得る形で香港に持ち帰って「香港空港」の滑走路建設を行っている。
様々は手段で砂を確保しているのだ。
浚渫船(シュンセツセン)をご存知だろうか。
国の地盤が海より低いオランダにとっては、砂を確保することが最優先事項である。
オランダとベルギーは、浚渫船に於いては世界トップの技術を誇っている。
そのオランダの浚渫技術を中国が盗もうとしているのを察知して、オランダは新たな法律を作って技術が漏れないようにした。
そういう中で、中国の「浚渫船技術」は格段に成長し、毎年10隻以上の大型しゅんせつ船が作られ続いている。
大型しゅんせつ船を世界各地に配置して、砂を確保しているのだ。
日本は、大丈夫かと、「砂問題」を案じています。