世の中には「不思議」と思えることが、現実に起こっている。
信じる以外に道はない。信じて、次に起こったことも信じる他ない。
メキシコで貧しい農村地帯にすむ人々のためにNPOが、巨大な
3Dプリンターでつくった住宅2棟が完工した。今年中に50棟
を作って世界初となる「3Dプリント住宅街」の完成を目指している。
NPOニューストーリーは仮設住宅を必要とする世帯の支援に取り組み、
14年の創設以来、南米とメキシコで2700棟以上を建ててきたが、
3Dプリンターを使った住宅建設プロジェクトは初めてとなる。
3Dプリンター技術の開発は提携先の建築技術会社「ICON」が担当。
入居世帯の募集については、メキシコの非営利団体「エチャレ」が協力
している。
建設現場では巨大プリンターから乾燥時に固まるコンクリート素材を
排出し、1層ずつ壁をつくっていく。24時間体制でプリンターを稼働
させた場合、数日で一度に2棟を建設できる。このコンクリート素材は
従来のコンクリートに比べて頑丈だという。建物の基礎部分は耐震性を
持たせるために補強してある。 完成した平屋根の住宅は米南西部を
思わせるデザインで約46平方メートルの屋内に寝室2つ、浴室1つ、
リビング、キッチンを完備する。
価格は未定だが、収入の2~3割を負担してもらう方向で各家族と調整
を進めているという。
「バルカン2」と名付けられたプリンターの製造はICONが手掛けた。
3年間をかけて試作を重ね、プロジェクトに使用可能なプリンターを開発した。
バルカン2は約46平方メートルの住宅2棟の工事を同時並行で進めることが
できるが、1棟ずつであれば約185平方メートルの家も建設可能だという。
3Dプリンターを使った住宅建設はスピード向上が目覚ましい。
ニューストーリーとICONが18年3月に発表した3寝室の住宅の場合、
建設に要した時間は48時間だった。 低コストでスピードも速いため、
世界を変える大きな可能性を秘めている。
適切な住居を持たない人の数は世界で約16億人に上る。その人たちを
3Dプリンターが救えるか。 問題は・・価格だが・・。