日本の首相が安倍さんから菅さんに変わって何が変化したのだろうか。
安倍内閣を継承していくと明言している菅さんだから安倍路線をなぞるのかと
思えるが、決してそうではないようだ。
菅さんの首相就任当初に、わたしは菅さんに少々期待感を抱いた。なにを
期待したのかと言えば、「悪しき前例主義打破」するようにという指示を出した
と知ったからだった。 日本には何かと前例主義が立ちはだかってきたもの
だった。 悪しき前例に捉われずに改革できれば前途が明るくなるはずだからだ。
また、 「縦割り行政の見直し」も掲げた。縦割り行政のゆえに困っている
人たちには河野行政改革大臣に直接ぶつけてもらいたい・・ということで、行政改革
110番が設けられた。
気になる日本の悪癖に菅さんは気付いていて改革を進める覚悟ができて
いるのかと期待したのだった。 しかし、はっきり言って、私の期待感は裏切られた。
「学術会議会員」の任命に関して6名を任命せず大きな波紋を広げているが、菅さん
得意の「任命権」操作が早くも表れたと思うのが妥当かもしれない。 多くの批判に
さらされながらも、菅さんはどこ吹く風・・とばかりの態度で通している。
悪しき前例どころか、新たに「悪しき例」を作りつつあるようなのだ。 縦割り行政の
改革は、政府がよほどの覚悟を持ってやったとしても10年では改革できないほど
根の深いもんだいでもある。 言うのは簡単だが、日本の行政の末端まで根を張って
いる縦割り行政を変革するには、掛け声だけではできるものではない。
菅内閣誕生から今日までをみてきて、これは性質の悪い内閣になるのではないか
と、思うようになった。そのように決めつけるには未だ日が浅すぎるかもしれないが、
秋の国会での菅さんの答弁をしっかり聞いてみようとおもっている。