中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

酒を飲める人がうらやましい(3) がんと言われて

 子供のころに俺は酒を飲まないぞと決めたのにはわけがある。
 祖祖父、祖父が大酒のみだったということもあるが、祖母が16歳で
 産んだ(当時はこの年齢で産むのは普通のことだった)私の父は、
 可愛がられて育てられたこともあり、大酒のみにわがままという性格
 が加わって、くせの悪い酒だったという印象がある。
 それが原因で、私が3歳にならないころに母と別れたらしい。
 その事情を知った時から、俺は酒を飲まないぞと心に決めたというわけ
 なのだ。
 酒を飲む機会というのは、意外なほど多いので、その度に断わるのは
 苦痛でもあったが、初志を貫いた。そのために2次会の付き合いもしかった
 ので、周囲からは疎ましく思われていたかもしれないと、今になって思う。
 40歳の時、胃の具合がよくないので診てもらったら「胃がんの疑いあり」
 ということで、毎月のように胃カメラを飲まされた。
 当時の(41年前の)胃カメラは太くて最近の胃カメラのようにスムーズに
 のど元を通らない。むりやり「飲まされた」という印象だった。
 兵庫県がんセンター(当時は神戸大学病院前にあった)で、3年間以上
 胃カメラ検査が続けられた結果、がんではなさそうだと言われたが、当時の
 がんに対する医療の能力はその程度だった。
 がんかもしれないと言われた瞬間に、それじゃ・・先祖代々大好物だった
 酒というものを飲んでみようと思い立った。
 (続く)