毎日新聞・中畑流万能川柳、10.31
「強すぎる握手の意味を考える」 大分・完熟かぼす
日本では、日常的に握手をする機会が少ない。
ビジネスの社会では多いのかもしれないが・・どのような握手の
しかたをするのが普通なのか、ちょっと興味がある。
1999年、首相官邸で小渕総理と握手をしたが、特に印象はない。
たぶん、ありきたりな握手だったのだろと思う。小渕首相と会ってからも
要職に在り方たちとも握手をしたが何も思いだせるようなことはなかった。
の方から前もって注意をいただいた。
「今日は、特別なお招きだということです」「日本国内では、首相と言えども
両陛下から握手を受けるということはありませんが、本日は外国からの
お客様ということで両陛下から握手がありますので、そのおつもりでいてください」
とのことだった。
御所(両陛下のお住まい)の玄関を入ると両陛下がお迎えくださり、先に
すべきなのか・・・と一瞬ためらった。何しろ私の世代では美智子皇后は
雲の上の人でもあったのだから。美しく、上品でどんな女優さんたちよりも
憧れの女性でもあった。
私がそっと手を差し出すと、皇后陛下はぐっと力強く握りしめてくださった。
変な喩の仕方だが、羽二重持ちに強く包み込まれるような感触だった。
その日から、私はだれかお握手をするときには、握手の意味をよく考える
ようになっている。
この川柳の場合は、それなりに・・意味深長なのかもしれないが。
規則から言うと・・国内で暮らしている日本人では、両陛下と握手を
したのは私だけではないだろうかと思っている。
「握手」と言うものは、ほんとうは大きな意味があるのではないだろうか。