中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

「JR・北海道」を救おう、守ろう

 「JR・北海道」の数々の不始末は弁解の余地さえないほどひどい。
乗客の安全を守るという第一義をすっかり忘れ去っているかのようだ。
 ここで、JR北海道を叩くのは簡単だ。だけど、敢えて「JR北海道」を
救おう、守ろうといいたい。
 国鉄が民営化になったのは郵政の民営化とは事情が違う。
どちらも政治的であったことは同じだが、国鉄の場合は、どんどん広がる
赤字を改善しようにも労働組合の「国労」が巨大すぎて手におえないように
なっていた。
 国鉄の分割民営化は「国労」潰しが目的だった。国内最大の労働組合
国労をつぶせば「総評」をつぶせる、総評をつぶせば社会党もつぶせると
中曽根首相は考えた。
余談だが面白い一致点に気が付く。戦後の自民党政権の中でも長期政権を
誇ったのは中曽根内閣と小泉内閣の二つだ。
そして、中曽根内閣では国鉄の民営化を、小泉内閣では郵政民営化
やっているということだ。 どちらも、力がなくては成し遂げられない「力技」
である。
今度の安倍内閣が狙っているのは「憲法改正」という力技だ。そのことは
別に書こう。
 さて、国鉄の分割民営化も郵政民営化でも北海道は得なことは何一つない。
いずれの場合も、民営化によって大きな不利益を蒙ってきた。
 私はJR北海道には一回しか乗ったことがなく、特段にJR北海道を擁護
する理由もない。しかし7つの会社に分割民営化の際の割り振り方に大きな
違和感を持っている。
 
北海道のように面積が広く、路線が長く、人口が少ない地域と、日本列島
東海岸沿いの人口密集地域とでは較べようもないぐらいの格差があるにも
かかわらず、押し付ける形で分割民営化し新会社を運用させたのだ。
JR北海道のように、赤字がかさみ、十分な資材がなく、人材も少なくなって
路線整備や車両整備もままならない事態へと追い込む結果となった。
 
 簡単にまとめよう。
電力会社は、これまで電力と送電を同じ会社で行ってきた原発事故をきっかけに
議論が沸き起こり、今後は送電は別会社で行われるように法律ができる。
 道路は基本的に国の管理下にあり、バスや貨物輸送は民間会社であるように、
諸外国では、 レールなどの管理は国家がやり、車両運用は民間会社が行うと
いうのが普通になっている。
 今のままではJR北海道は立ち直れない。諸外国のようにレール管理などを
国で行い、運航をJR・北海道に任せるというような施策が必要になるのではないか。
 今後、巨大な国土の北海道は、温暖化とともに利用価値が高まることは
間違いない。
 北海道を見捨てるのではなく、北海道を最大利用できるように、特別措置
を考え出してはどうだろうか。
 みんなの声が高まれば、事態も変わる。政治も変わる。