中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

東電は素人集団なのか(2)

  もうすでに誰もが知っていることだが、原発事故に至った経緯を整理
してみたい。
 3・11に東日本大地震が発生したことが福島第1原発の大事故につな
がった。
 直接的な原因は、大津波が襲来したことだった。津波によって原発
破壊されたから事故が起こったのではなく、津波によって地下にあった
補助発電機が作動しなくなったことで、メルトダウンに至る世界最大事故に
つながった。
 すでに地震で、送電線が切断しており、外部からの電源確保はできない
状態にあった。
 原発というのは、発電をする装置であるのだが、何らかの事情により
発電が止まった時(あるいは止めた時)に、火力発電所などと異なるものがある。
原発では、発電を止めたからと言って、何もかもが止まるというものではなく
ウラン燃料棒が燃え続けるために冷却を続けなければならない。冷却は水冷式であり、
多くの電力を必要とする。
 全電源を喪失すれば、燃料棒の温度が上がり続け、燃料棒が溶けだし、メル
トダウンとなる。
 メルトダウンした場合、溶けだした燃料は、巨大な格納庫まで溶かしてしまい、
地中深くまで潜って行ってしまう恐ろしい物体なのだ。化け物などという表現では
言い表せない、人間が作った最も危険で、コントロール不可能な物体と言ってよい。
 原発にとって全電源が失われると、このような事態になるということは、原子力
関係者だけではなく、一般人も知っていた。なぜならば、原発建設反対を唱える
人たちが、こういう事態を懸念して多くの著作に書き記していたからである。
 それでも、あってはならない「考えられない大事故」が起きてしまったのだった。