中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

やっぱり「メルトスルー」だった!

 以前に書いておいたのでご記憶の方もいると思うが、福島原発
事故はメルトダウンではなく、やはり「メルトスルー」だった。
 政府が国際原子力機関IAEA)に提出する報告書の中で明らかに
なった。
 メルトスルーとは、高温で融けだした燃料棒が圧力容器を突き抜けて
格納容器にまで落ちていると言うことで、そのために格納容器にも
穴があいている可能性大である。
 いつも言うようだが、どうして正確な情報が小刻みにしかだせないの
だろうか。今回のIAEAへの報告書では、「国民の安全を確保する責任の
所在が不明確だった」と指摘し、原子力安全・保安院経済産業省から
分離独立させることを明記した。
 以下ニュースの要約を書いておく。
 電力会社に対しては、炉心損傷などの「過酷事故」に至らないための対策
を法的に義務づけるなど、「原子力安全対策の根本的な見直しが不可避」と
結論づけた。
 報告書は13章で構成。「世界の原発の安全性に懸念をもたらす結果となった
ことを反省し、世界に放射性物質の放出で不安を与えた」と事故について世界
に向けて陳謝したうえで、
▽過酷事故の防止策▽原子力事故への対応--など28項目の教訓を
列挙した。
 政府が運用する緊急時迅速放射能影響予測システム「SPEEDI」のデータ
公表が遅れ、十分に活用されなかったと認め、「今後は当初から公開する」と
明記した。
 過酷事故を防ぐための電源や冷却機能の確保については、「整備の内容に
厳格さを欠いた」と指摘。今後は法的に義務づけ、対策を徹底するとした。
 複数の原子炉で設備を共有し、それらの間隔が小さかったことが緊急対応に
影響したことを反省。対策として、号機ごとに事故対応ができる体制を整備す
るとした。
 これらを踏まえ「重大事故対策の強化のための研究を国際協力の下で
推進し、世界の原子力安全の向上につなげる」と宣言している。この報告書
の検証については、政府の「事故調査・検証委員会」での論議にゆだねるとし
ている。
 この報告書を見る限り、納得できないことがある。
報告書には、これまでの原発建設や危機対策などの不備もきっちり書かれ
ている。事故後の問題点も書いてある。原発を監視する立場にある、原子力
安全・保安院を単独組織にして強化することにも触れている。
 しかし、現在運転中の原発の安全のための施策に触れていない。
地震対策、津波対策、定期検査の強化など、今の対策が抜け落ちている
のが気にかかる。遠い将来ではなく、明日にも起こるか分からない事故に
どのように備えるかが大切なのではあるまいか。