今回の原発事故では、外部電源を失い、補助電源が作動せず、
急いで各地からかき集めた電源車は、原子炉と繋ぐことさえできず、
完全に電源アウトとなって時点で、最悪の局面を迎えていた。
電源車さえあればなんとかなると官邸に思わせたのは誰か。
官邸は電源車集めにのみ集中して数時間が過ぎた。その間にも
燃料棒はどんどん高温化が進んでいたのだった。
メルトダウンは時間も問題だったのに、「専門家たち」は、全く機能
しなかった。最悪の事態を防ぐ助言も出来なかった。
各所の原発の近くには「オフサイトセンター」が設置されている。
国内に22か所設けられている。この施設は、原発事故が発生した
際に、国、県、市町村、電力会社などから担当者が集まって事故への
対策を考え、住民に指示を出す原発事故最前線基地なのである。
これまでも何度か訓練をしたことがあると言う。今回の場合は機能
したのだろうか。ノーである。
まず、オフサイトセンターの外部電源が地震の影響で途絶えた。
補助電源のジーゼル発電機があったのに機能しなかった。そのために
内部は真っ暗になり、原発現場から送られてくるはずのデーター画面も
写らない。FAXも使えないと言うことで、機能しなくなった。その上に、
なかった。
オフサイトセンターからの指示によって、住民に避難勧告をしなけfれば
ならないかが、指示がないので各市町村は住民に対して適切な指示を
与えることが出来なかった。
すべては、電気がなければ機能しないと言うことを露呈したと言うわけだ。
事故対策とは、「放射線漏れ事故」程度しか考えていなかったということ
である。
全国のオフサイトセンターも多分同じシステムになっていることだろう。
理由によって機能しなかったのである。
原発そのものも、その様な想定のもとで運転をしているはずだ。 電源
喪失で、すべては終わる。どこかの原発が事故を起こした時、今度こそ
日本と言う国は終わる。
少なくとも、電源対策をしっかり終えるまで、運転停止を求めたい。