中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

事故のデーターを共有できているのか

 福島第1原発の事故には、様々な教訓がある。
地震津波だけがクローズアップされやすいが、予想されていない
局面に立たされて、現場も本社も官邸も慌てふためき、正確な判断が
出来ない状態であったことが次第に明るみになっている。
 将来的に、今回の事故検証が行われ、時系列的にも明らかにされる
だろうが、そんな先のことではなく、現時点において、事故以後の様々な
データーが、日本中の原発現場や電力会社と共有できているかが気に
かかる。
  なぜならば、福島だけでなく、日本中の原発は、今回のような事故を
当初から一度も想定したことさえなかったようだからである。
 想定していないからシュミレーションさえ行われていないし、万一に備え
ての避難訓練さえしていない。訓練と言えば「放射線漏れ事故」程度の
想定で行われていたにすぎない。
 今回の事故で、大気中に放射線を放出しなければならない「ベント」を
巡って、現場、本社、官邸が揺れ動いた。斑目委員長などは「水素爆発は
内」と首相に断言したようだし、本人の弁で「あの時点で水素爆発を考え
た人はいないだろう」とさえ言う。 ところがどっこい、水素爆発を予測した
人がいた。専門家ではない広瀬隆氏だった。彼が週刊誌の記者に対して
「記者会見で、その点を質問してくれ」と頼んだが、記者会見までに爆発
が起こってしまったようなのだ。
 いま、やるべきは、現場と本社、官邸のラインを整理し、リアムタイムで
この3つが同時に、しかも対等の立場で論じ合い、結論を導き出すシステム
の構築が急務だと思う。そして何より、「信頼できる専門家」を集めるシス
テム構築も急務だろう。