中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

第2の人生(7)

第2の人生(7)
 前回の調査旅行で、パースのスワンリバーより北方面には詳しく
なっていた。日本人は、どちらかというと南方面に住んでいる人の方が
多かったと思うが、北方面は街が美しい。ごちゃごちゃした街並みは
見られないし、粋で清潔感が感じられた。
 やはり市の中心であるパースからあまり離れないサバーブに住む方が
便利だと思うのと、パースに近いほど家が建て込んでいるとか、高価だとか
言うこともあって、車で約15分のソレントを中心に家探しをすることにした。
何よりもソレントには「ソレントキー」「ヒラリーヨットハーバー」という人気施設
がある。カリフォルニアのサンタモニカで見たものよりかなり小粒ではあるが、
ソレントキーには、サンタモニカを思い出させるものがあって大好きだった。
 結局、オーシャンフロントのソレントキーから内陸に1キロの地点で、目の前に
かなり広い芝生の公園があり、家から海が見えるという物件を探し出した。
 直ぐ、マレーシアチャイニーズの彼に電話をかけ、この物件の中を見られる
手配を依頼して、翌日に見ることが出来た。後でよく見ると、不満な部分もあり
手を入れることになるのだが、その時は、何よりもロケーションにぞっこん惚れ
込んでしまっていたので、すぐに契約に入る旨をつたえた。
 この家は築10年の中古だったが、パースの家はすべてブリック建築になって
いて、木造建築などはない。ブリックというのは、レンガとブロックの中間的な
もので、大きさはレンガとほぼ同じだが、ブロックのように穴があいている。
このブリックを外からと内側に2重に積み上げて作る。この外と内の空間に
ガスパイプとか、電気配線などが通されているので、あとからのメンテナンスが
やりやすい。日本の建築の場合との大きな違いでもある。
 ブリックには年代がわかる色模様がある。昔からのブリックは石炭で焼いて
作られていたが、最近はガスで焼いて作る。そのためにブリックの色や焼き具合
に微妙な差が生まれる。築10年だったが、この家は古いタイプのブリックを
使っていて趣があって好きだった。
 豪州で外人が中古の家を買う場合は、連邦政府の許可がいることになっている。
豪州の場合には、州ごとに政府を持っているが、家の購入の場合は連邦政府
に申請しなければならない。これは出入国の管理を連邦政府でやっているからで
もある。少し前までは、売り買い自由だった。日本のバブル期に、日本人が
買いあさって、値段を釣り上げたために、このような法律が新たに生まれたと
言うわけだ。
 連邦政府の許可が出るまで、正式契約は出来ない。約10日後に許可が出て
手付金を支払った。持ち主が出ていくための準備などで、正式契約と開け渡しは
2週間後となった。