中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

第2の人生(3)

 第2の人生設計は人それぞれに違うだろうと思う。国内移住を考える人も
少なくない。実は私たちも国内移住を考えて、あちこち旅をしたものだった。
しかし、当時はバブル期だったこともあり、私たちの持ち金では、将来にわたって
生活していく目処が立たなかった。言い換えるならば、外国へ移住する方が
安上がりだったというわけである。
 たとえば、現在私たちが住んでいるマンションは、丁度移住するころに売り出
された物件で、当時は7000万円だったそうだ。14年後に帰国して、このマンション
を見つけた時は2000万円だった。実に5千万円も値下がりしていたということに
なる。住まいの観点からみても外国移住を考えたのは賢明だったと思っている。
 移住先も、あの頃のカナダ、オーストラリアへのリタイアメントビザは、現在は
なくなっており、条件も大幅に違って来ていて、多くの先進国への移住はまま
ならない。
 それでも、移住のお手伝いをしますという広告もあるのが不思議でならない。
移住しようと思うような人は、自分ですべての手続きをやるべきで、そうしないと
「だまされた!」というようなことを言わないで済むのではないだろうか。これまで、
何度も「だまされました」という話を直接に聴かされた。聞かされる方も愉快では
ない。あなたが悪いのよ、とは言いにくいし、だました人たちに対して憎しみも
出てしまう。
 私たちが。豪州・パースに移住した当初も、そんな話をたくさん聞かされた。
で正義感で、だました人たちを許せないと思い、その人たちを相手に長い間
戦ったものだ。 だまされたと訴えてくる来る人たちをみていると、依存心の
強い人たちばかりだった。依存心の強い傾向のある人たちには、外国移住
をする資格がないといっても言い過ぎではないと思う。
 英語ができるかできないではなく、人に頼らずに生きていく姿勢がないと
外国では暮らせないということだ。
 最近では東南アジアが移住先として選ばれる傾向にあるらしい。私は、
移住先を決める際には、治安度が最優先ではないかと思っている。町の
中の、ごく普通の住宅街に住めるのでなくては移住した意味もないのでは
ないだろうか。特別区のようなところで住んでいては、外国に住んでいる
という実感さえないのではないかと思う。
 何を基準に選ぶかは、人それぞれだが、現地に溶け込んで、ごく普通の
暮らしを楽しむ中で、外国の文化にも触れることができ、人情にも触れられる。
日本を逃げ出したいと思うような人たちは、外国にとっても迷惑な人種に
違いない。多くの移住者をみてきて、そんな風に思っている。