(141)子育ての上手になるために(その2)
絶えず叱られるようなことをしている子どもは、L・Dの可能性が
あると書きました。たとえそうではなくても、何らかの問題を抱えた
子どもだと考えるべきです。それだけに、その子どもたちの親は、問題
のない子どもたちの親以上に「子育てのプロ」になっていただきたい
のです。
幼く小さい子どもほど、親から叱られるたびに「愛されていない」と
いう感情をもつようになります。
「お母さんは僕のことを嫌いなんだ」と思ってしまうのです。いくら
別のところでどんなにかわいがったとしても、この心の傷は癒えるこ
とはありません。「橋の下で拾ってきた子」と一度言われた子どもは、
何歳になってもその言葉を覚えています。それは、その言葉がどれほど
に子どもの心を傷つけたかという証拠でもあるのです。
叱られるようなことばかりをする子どもには、親は細心の心配りをして
あげていただきたいのです。
決して親の都合で叱らないで下さい。子どもには、
「どうして、ごはんを早く食べないといけないのか」
「どうして、服を汚すといけないのか」
「どうして、片付けをしなくちゃいけないのか」
「どうして、あの子とは遊んでもいいけど、この子と遊んではいけな
いのか」
「どうして、勉強しなきゃいけないのか」
「どうして、テレビゲームをしてはいけないのか」
分からないのです。こんなに面白いテレビを禁じる親は、悪魔か敵かと
思いかねません。
いけないからいけないと言うのではなく、子どもが本当に納得するよう
な方法を選んでいただきたいのです。
しかし、これは本当に難しいことです。だから「親になるために」勉強
をしていただきたいのです。