中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

あなたは生まれ変われますか(終)

 このタイトルは、6回目となりますが、今回で終わりたいと思います。
生まれ変わるなどという言い方が良かったのかどうか疑問ですが、
自分を変えたい、自分を成長させたいと言う願いを持っている人たち
(特に若い人たち)に向けて書いてきました。
 ですから、自分を変えたいと願っていない人には「馬耳東風」でしょうし、
馬の耳に念仏だったかもしれません。
 最後に書いておきたいことは、自分を変えようと強く願う気持ちを持ち続ける
ことが何よりも大事だと思います。自己満足している人には、私の言葉は
耳に入らないでしょうが。
 自分を成長させる第一の要因は、読書をすることです。これまで機会がある
ごとに読書の勧めを書いてまいりましたが、多くの人たちは読書の大切さが
良く理解されていないのではないかと考えています。自分の成長のためにと、
HOW TOもの本ばかり読んでいる人がおりますが、その手の本を読もうと
する心根が「簡単に楽して、手っ取り早く役立つものを手に入れよう」とする
気持ちであり、その時点で自己改革から遠ざかってしまいます。
HOW TO本ばかり読んで、読書をしていると言っている人を私は信用でき
ないのです。
 では、どんな本を読めばいいのかと思われるでしょう。人生は短いですから
(あなたは人生は長いと思っているとすれば未熟者です)自分だけで経験
出来ることがいかに少なく、自分は何も知らない無能者だという自覚をもつ
ことも肝要です。
 世の中のことを知ったつもりになっている人が多いですが、本当はなにも
知らないといっても過言ではありません。何を知ることが肝要なのでしょうか。
 まず、人がどのように生きているのかということを、幅広く、そして深く知る
ことです。そのためには、歴史的視野を広げる必要があります。かといって、
それは簡単ではありません。だから、お勧めできる方法としては、司馬遼太郎
さんの書いた「街道をゆく」シリーズ全部を読む。司馬さんの書いた歴史エッセイ
「対談集・東と西」「人間というもの」「ある運命について」「歴史歓談」「春灯雑記」
「日本語と日本人」「世界の中の日本」アメリカ素描」「オランダ紀行」「この国の
かたち・シリーズ」「無用のことながら」「風塵抄」・・・まだまだ一杯ありますから、
出来れば全部読んでみてください。これらは小説を除いていますが、多分200冊
を超えるでしょう。
 これらを読み終わったときに、あなたがどのように感じるのでしょうか。 
今まで何も知らなかったから、もっと読もうと思うでしょうか。
書かれている内容が理解できなかったと感じた人は、もっと優しい読み物から
読書の訓練が必要かもしれません。
 司馬遼太郎さんの小説にも素晴らしいものがたくさんありますが、私は、
空海の風景」が一番好きです。小説の方が読みやすいと思われる方は
「飛ぶが如く」などを読んでみてはどうでしょうか。
 司馬遼太郎さんの本をお勧めしているわけではありません。ここでは、わかり
やすく説明するために司馬さんの作品を紹介しています。最近100年間ほどの
世界を知ることは、多くの示唆を与えてくれることでしょう。世界や、歴史を
知らない人は、はっきり言って面白くありません。世の中のことを理解できて
いないからだと思います。
 人が生きていくうえで必要なことは「コミュニケーション」ですが、そのためにも
世界観をしっかりさせておかなければ、せっかくのチャンスもつかみきれません。
 もちろん、要領だけで生きていく方法もないことはありませんが、その場限りの
要領だけでは、本質を見抜かれてしまいます。高学歴を誇る人の中に、内容の
少ない人が多いのは、卒業後に学んでいないからです。大学で学んだ内容は、
取るに足らなかったものだという自覚がないからです。
 最後に書いておきたいことは、自覚があるかないかで、自己変革が出来るか
出来ないかも決まります。
  では、どのようなペースで読書するかです。自己改革を大いに望んでいるのなら
週に2冊以上、年間100冊以上は読むべきでしょう。時間がない・・という人は
うそつきです。時間は作れば出来るものだからです。私は年間200冊以上、
何十年と読み続けてきました。そして、軽く読まずに、深く読むことを心がけて
きました。深く読むことはとても大切だからです。
 ちょっと難しくというか、上から目線で書いてしまいました。私にはあまり時間が
ありません、残っていません。一日の時間と言うよりも、人生としての時間です。
ですから、どうしても、急いで書いてしまいます。若い人たちに元気になってもらいたい。自己変革をして、大きく成長してほしいと強く願っているからです。
 100人の中で、たった一人でも自己変革に成功すれば、日本は少し変わる
ことができるかもと期待しています。