中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

民法の「親の懲戒権」って、知っていますか?

 親に「懲戒権」と言うものがあるということをご存じだろうか。今日の毎日新聞
一面トップ記事となっているので、ぜひお読みいただきたい。
 日本の古くからの子育ての在り方や、西欧から入ってきた懲戒権についてなど
昨日の「余録」に書かれていたので紹介したい。 せめてこんなことは知っていてほしい
と思うから。
余録(2月16日)
「日本の子どもが怒鳴られたり、罰を受けたりせずとも、好ましい態度を身につけて
いくのは本当に気持ちのよいものです」。明治中ごろに日本を訪れた英国公使夫人
メアリー・フレーザーは、そう述べている
▲日本びいきの彼女だったが、明治以前の日本人が子どもに体罰を用いないことに
驚く西欧人の記録は多い。古くは戦国時代に来日した宣教師フロイスの「われわれは
鞭(むち)で子どもを懲罰するが、日本では言葉で譴責(けんせき)するだけだ」がある
▲幕末の英国公使オールコックも子どもを打たない日本人に感心し、欧州の子どもへの
懲罰を非人道的かつ恥ずべきものだと自己批判した。しかし当の日本人は明治になって
西欧に学んだ民法に親の子どもへの「懲戒権」を書き入れる
▲時は流れ、親が子どもに手を上げれば児童虐待となる今日の欧米である。日本が
法律を学んだ国々はとうに親の「懲戒権」など削除した。日欧の文明は逆転し、今や子ども
への暴力につき国連委が日本政府に対策を求める時代である
▲こんな歴史を思い出したのも栗原心愛(くりはら・みあ)さんの虐待死で、父親が執拗
(しつよう)な虐待を「しつけ」と主張したからだ。父親の心にひそむ弱者への攻撃性を
正当化し、歯止めを失わせたのが、親の権利や教育という口実だったのならばやりきれない
▲明治に欧米に倣(なら)って身につけたものが、今や欧米に非難される“伝統”となったのは
子どもへの懲罰だけでない。オールコックやフレーザーを感動させた本当の伝統を掘り起こして
子どもを守る時である。
   さすがに「余録」は素晴らしい。新聞を読む時に最初に読むのは「余録」に決めている
   日々なのだ。 懲戒権を未だに残しておいたというのは後進国並みではないだろうか。
   私は子供を叱ったことはあるが、懲戒権を行使したことはない。 いまだに長女がいう
   には「相手に石を投げたことでパパに叱られたが、パパも板の上に1時間も正座して
   私を叱っていたので、パパの真剣さが伝わってきた。」と。今年60歳になる娘が言う。
   子供を叱るときに、親の権利だけで暴力に及ぶなどと言うことはってはならない。