(140)子育ての上手になるために(その1)
「子育て上手」となるために親としてあなたはどんな時に子供を叱るの
でしょうか。「子どもが悪いことをした時に叱る」と答える人がほとん
どだと思います。それでは「子どもがどんな悪いことをしましたか」と
いう問いには、どのようにお答えになりますか?
もう一つ質問させていただきます。「良いこと、悪いことって何を基準
に決めていらっしゃるのですか?」
ほとんどの方は、自分にとって都合が「良い」か「悪い」かで判断をさ
れているのではないでしょうか。親の都合が悪いからといって子どもを
叱っても、子どもはどうして叱られたか分からないのではないでしょうか。 最近あなたが子どもを叱った時の情景を思い出してみて下さい。特に
子どもが小さければ小さいほど、親の都合だけで叱る場合が多く、その
ことが子どもをゆがめ、ますます難しくしていくのです。
L・Dの子どもは「多動」という特徴をもっている場合が多く、じっと
していられないのです。一つのことに集中していられないので、音に反
応しやすく、余計に多動になってしまいます。多動で落ち着きのない子
どもは、叱られても、叱られても同じようなことを繰り返します。
親は子どもに言ってきかせたり、約束事を決めたりするのですが、あま
り効果があがらないので、余計に腹が立って叱ってしまいます。しかし、
子どもはどうして叱られるのか本当に分かっていないのです。いけない
と言われるからいけないのかなと思うだけで、なぜいけないことなのか
わかっていないのです。親の怒りはだんだんエスカレートしていき、自
分の決めた枠のなかに入らない子どもに対し、憎しみさえ抱くように
なっていきます。そして、言ってはならない言葉まで言ってしまうの
です。
「どんくさい」「バカ」「ウソツキ」「いくじなし」などと、子どもを
ののしるようになります。それでも親の腹の虫はおさまらず、「あんた
は橋の下でひろってきた子よ」「私の子どもと思いたくもないわ」と突
きはなしてしまうのです。