人生には、思わぬ出来事が多い。
出会いによって、人生そのものが変わる場合だってある。
普通なら、絶対に会わない人に出会って、人生が急展開したり
することもしばしばである。思わぬ災難もある。いつのまにか
誤解が誤解を生み、思わぬ方向に行ってしまうこともある。
嫌な思いをする事も多いものだ。誤解だと怒ったり苦しんだり
する人もあるが、良い意味での誤解も少なくない。私は、誤解
には、悪い誤解よりも良い誤解のほうが多いかもしれないと
思っている。何でもものは思いようなのだと思う。気楽に、
楽観的に、前向きに暮らしていると、思わぬ良い出来事に出く
わすものだ。テレビのワイドショーの司会者になったことや、
1999年に、天皇、皇后両陛下から御所のお茶会へのご招待を受
けた事などは、私の多様な人生の中にあっても、特異な体験で
ある。
人生は面白い。これが私の結論だ。悩む事はない。苦しむ事もない。
楽しい事が目の前で待っていてくれるのだと思いながら、私は毎日
を送っている。嫌なこと、苦しいことは数限りない。人生と言う
時間空間の中では、いやなこと、思い通りにいかないことの方が
断然に長い多いのではないだろうか。しかし、そんな嫌なこと、
苦しいこと、思い通りにならないことをいつの間にか上手に忘れ、
些細な喜びを大切にすることで、辛いことから逃れられている。
ワイドショーの司会をしていたころの私は、人生最高かと思える
時期だった。従業員家族の一家心中事件や不渡り手形問題など最悪
の試練の中で、いつの間にかKFSの会長となり、そして「時の人」
としてあちこちに登場することになっていた。だが、仕事面では不
渡り後が順調に推移していたと言うわけではない。やっと立ち直し
ていたと言うにすぎない。事業などと言うものは、そんなに容易い
ものではなく、時代の波にのまれるものだ。なんとかかんとか凌ぎ
ながら生きてきた人生に一つの陰りが見えてきたのは、私の宿命な
のだろうかと思う。
山あり谷ありの人生の中で次の「大きな谷」が目の前に現れてきた。