中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

私流生き方(77)

 芸能界や放送局と何の縁もゆかりもない私に、突然「テレビの
ワイドショーの司会をしてみませんか」と言われ、なんとなく
「いいですよ」と返事をしたものの、その後、放送局からは、
何の連絡もないままに半年が過ぎてしまった。
放送開始日が半月後に迫った時、放送局から「東京へ行って
入江若葉さんに会ってください。帝国ホテルで落ち合う手はずを
整えてありますから」と連絡があった。あれは、ドッキリカメラ
だったのかもと思い始めていた私は、これもドッキリカメラらの
続きかもと一瞬思ったのも無理はない。
 指定された日時に帝国ホテルへ行った私は、そこで、女優の入江
若葉さんと放送局の方と出会った。入江若葉さんといえば、入江た
か子さんの娘だ。入江たか子さんは「昭和の大女優たち」という写
真集の表紙を飾っている大女優である。その写真集には、原節子
田中絹代岸恵子、轟ゆき子、高峰美枝子、高峰秀子京マチ子
山田五十鈴有馬稲子さんなど、数々の美人大女優が掲載されている。
 女優と言われる人と対面するのは初めての事である。私は以前に、
あの角川書店の社長である角川春樹さんや推理作家の森村誠一さんの
講演会を主催して、神戸国際会館の広いステージで司会したことや、
作家の田辺聖子さん、野坂昭如さんなど、文学、藝術、美術の分野と
人達とは、なじみのスナックで出会うのはしょっちゅうであったが
、女優さんとの対面は始めてのことだけに緊張した事を覚えている。
 入江さんたちと何を話し合ったのか今ではすっかり忘却しているが、
一緒に司会をして行く上で、合性のいい人だと言う印象を感じたこと
だけを覚えている。
 さて、いよいよテレビのワイドショーの司会が現実のことなんだと
分かってみると、どうも落ち着かない。何を準備して良いのか分から
ないし、その心構えもさっぱり思いつかない。「まあいいや、なんと
かなるさ」と思ううちにその前日となった。