中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

私流生き方(79)

 それから2年間司会を担当した。この番組は、月曜日から金曜日
まで毎日司会者が代わることになっている。月曜日は歌手のチェリ
ッシュ夫妻、火曜日は作家の飯干晃一さん  と元宝塚女優、水曜日
入江若葉さんと私、木曜日が女優の長内美奈子さんと俳優のご夫婦、
金曜日が失礼ながら思い出せない。
 もちろん私には本職の仕事があるから、テレビの事ばかり考えて
いる暇はない。ワイドショーの司会は、忙しい日常の中の一こまに
過ぎないのである。この番組には、毎週いろんな方がゲスト出演して
くださった。藤田まことさんはその中でも印象に残る人だった。毎回
、放送終了後ゲストも一緒に反省会をする。最も謙虚で優しい感じが
したのが藤田まことさんだった。その反対に、ドラマなどで見せる人
情味豊かな印象とは違って傲慢な感じの俳優さんもいた。
 思い出に残っているのは「ミス日本コンテスト」の司会をした事で
ある。ミス日本コンテストは第1回のミス日本グランプリは山本富士
子さんである事で有名である。藤原紀香さんは第24回のグランプリ
である。
 私が司会をしたのは、第10回の78年度のミス日本コンテストである。
ミス日本コンテストは、地方から選ばれたミスを数ヶ月間、和田美容
研究所で磨いた上に、様々な条件の元で審査をするという形式をとっ
ている。美形だけではミス日本はなれない。美形の上にマナーや様々
な才能が備わってミス日本に選ばれるのである。その点では、他の美
人コンテストと少々違うように思う。
 私が司会をした時に、前年度のミス日本グランプリとしてきていた
のが、東大出のミス日本と騒がれた手塚圭子さんだった。この日の第
11回ミス日本グランプリは榎本安江さんに決定した。
放送が終わってから、手塚圭子さんと榎本安江さんという二人のグ
ランプリと一緒に三宮を歩いた時は、文字通り「両手に花」とはこ
のことだとつくづく思ったものだった。私の一生の中でも、これほ
どの美女に挟まれた経験はこの時だけだった。二人から「芸能人に
なれる道はあるでしょうか」と質問がありアドバイスを求められた
ので「芸能人になることなど考えない方がよい」と返事をしておいた。
 この時のミス日本グランプリの榎本安江さんと、パース滞在中に出
会う機会があった、といってもテレビ画面の中である。日本から送っ
ていただいたビデオテープを見ていると、ある民放が「元ミス日本グ
ランプリのコンテスト」と言うのをやっていた。過去にミス日本グラ
ンプリに輝いた人たちを一堂に集めて、今一度審査をしようというも
のである。
 その番組で、「元ミス日本グランプリの中のナンバーワン」に選ば
れたのが、私が担当した時の榎本安江さんだった。妻にあの人では・・
と言われるまで私は気付かなかった。榎本さんは「この番組に出た
ので、私が元ミス日本グランプリだった事が子供たちにばれてしまう」
と語っていたが、今もなお美形の上に謙虚でしなやかな感じだった。