原発事故が起こって4カ月以上が経ち、多くの国民は収束に向かって
懲りて「原発があってもいいんじゃない」と思っている人もいるようだ。
「喉もと過ぎれば熱さ忘れる」喩のように、人の心も冷めやすいのか。
そこで、事故後ではなく、ずっと以前から原発の危険性について指摘し
続けてきた著者の書いた本を抜粋して書いてみようと思う。専門家の中でも
人が多いが、危険を指摘し続けてきた専門家たちの懐にはそのような金は
入っていない。
金につながっている人たちの「絶対安全」は、とても信じられないが、金に
縛られないで自由な立場でいる人の話は信頼できると思う。
関心をもたれた方は、ぜひ購読していただきたい。
原子力発電所と言うが、火力発電と原理には変わりはなく、水を温めて
沸騰させた蒸気でタービンを回すだけのことである。お湯を沸かすのに
いるのに、原発だけがどうして大都会から遠くに設置されているのだろう。
答えは簡単で、読者の方も気がついておられるでしょう。「危険すぎる」
からにほかなりません。
どんな危険があるのかは、今回の原発事故を見ればわかるように、一旦
事故が起こったら周辺に多大な被害が及ぶからです。絶対安全なら大都会
周辺に作ってもよいはずなのに、遠く離れたところを選んで作った理由は、
「絶対危険」だと言うことが分かっていたからなのです。
減衰していることを計算しても、80万発分の死の灰が、日本中におかれて
いると言う事実があります。原爆を作ろうと思えばいつでも大量の原爆が
製造できるだけに、世界は日本の原爆製造を恐れているというのも事実
です。だからこそ再利用計画が騒がれるのですが、これは理論上では可能
であっても、現実的には「金食い虫」になっています。
死の灰は、処理できないまま日本中に放置されていますが、安全処理できる
「墓場」がないのです。
うか。これまで「発生しない」と言われ続けていましたが、これは真っ赤なウソ
だったのです。
のですが、ウラン鉱石を精製しますが、燃料に使えるウラン235は全体の
0,7%しかありません。それを濃縮し、燃料として使えるように加工するまでに
もちろんウランの採掘、運搬にも多くの化石燃料が使われています。
標準的な原発Ⅰ基で300万KWの熱量が発生していますが、その内の
3分の1だけが電気となります。残りの200万KWの熱量は海へと流されて
いるのです。冷却のために引きこんだ海水はⅠ秒間に70トン。その海水が
海水温より7度も引き上げられて海に戻されます。これだけ大量の海水が
絶えず7度も引き上げられていると言うことは、自然に大きな影響力を与えて
いることを表しています。
原発は「原価が安い」と、これまでさんざん聞かされてきました。
それらが全部ウソだったのですから驚きです。
一覧にすると(KWH単位)
* 一般水力発電 3・89円
* 一般水力+揚水 7・26円
* 火力発電 9・90円
* 原子力発電 10・68円
* 原子力+揚水 12・23円
* 揚水発電 53・13円
調節ができますが、原発は24時間フル稼働する仕組みになっています。
どうしても電気が余ってしまうので、それを消費するために揚水発電所
と言うものを設けるのです。夜間に下の池から上まで揚水して、昼間に
下に落として発電すると言うものですが、エネルギーを30%ロスする
というものです。
もちろん、どんなにロスしても電力会社は損はしません。すべてを上乗せ
して消費者にかぶせていればよいのです。
日本の電力はと世界の比較。
次の表以外に、日本の電力は安いというグラフもあります。
高い国ばかり選んで掲げると、日本は安くなり、安い国ばかり
選んでグラフを作ると高くなる。データーとは不思議なものです。
ここでは、日本経済が脅かされていると言うう台湾や韓国の
数字に興味深いものがあります。豪州などは、もっともっと安いのです。
(出典; IEA、但し比国のデーターは除く)