中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

「からだの不自由な人の衣服」

今日、友人がある理由があって私の過去を洗いざらい調べてくれたようだ。
聞いてくれれば簡単に教えられたのだが、彼は自分で調べた。
それにしても良く調べていたのには驚いた。これまでに悪いことをしなくて
良かったとつくづく思う。
 その彼も知らないことがあった。私も忘れていたのだが、彼の書いたものを
読んでいるうちに思いだしたと言うわけだ。
 正確な年月は忘れたので、興味のある人はネットで調べてもらいたい。
神戸市が「ファッション都市宣言」をした年に「ファッション大学」なるものを
開催した。かなり本格的な講座だった。日本中から一流の講師を集めての
もので、神戸市も気合が入っていた。ファッションと言っても衣服だけの
ことではなく、講座には「都市計画」など当時としては先進的なものもあった。
 長い講座を終える日に、」同窓会なるものを提案して受け入れられ
「こうべファッションソサエティー」(KFS)を結成して会長に選ばれた。
副会長はチョコレートで有名なモロゾフの常務で、のちに彼は社長となった。
 当時の神戸市は、神戸製鋼に代表される「鉄」と灘の酒に代表される
「食品」に支えられていた。だから「ファッションなんて」と時の商工会議所
会頭(酒造会社社長)におしかりを受けたことがある。
 数年後、神戸フアッションは、それらを押しのけ売上トップに立った。
日本中に神戸フアッションの名が定着した。今もその名残のファッションショー
がある。
 実は、こんなことを書くために座っているのではない。当時身体障害者
や、寝たきり病人のための衣服研究はあまり行われていなかった。
KFSでは、有志が集まってそれらの衣服の研究をして発表したのだった。
車いすのためのレインコート、身体障害者の花嫁衣装、寝たきりの病人
のために着替えがしやすい衣服の数々。今風に言えば介護のための
衣服と言えようか。
 これらの研究は、神戸市によって「体の不自由な人の衣服」として重厚な
一冊の本として出版して下さった。
 それから何十年も経って、ある俳優さん(神戸の震災後のボランティア
活動で有名)が、オーストラリア・パースに遊びに訪れた際に「身体障害者
介護のための衣服の研究が遅れているのではないか」と言うので、
その本を見せたら、これは驚いた。そんなに早くその分野に気が付いていた
とはとほめていただいたものだ。
 生きる、支える、寄り添う・・が私の生き方でもあるが、今夜はひょんなこと
から昔のひと時を思い出した。この本は、多分図書館にも置かれていることと
思うので、関心のある方はご覧ください。
「からだの不自由な人の衣服」
神戸市立心身障害福祉センター編集、発行