本を出しているが、月刊・文藝春秋6月号にも「恐怖の2時間18分」と題して
寄稿されているので、ぜひとも読んでいただきたいものだ。事故の際に現場が
どれだけ混乱したかが良く読み取れるし、航空機事故などを検証してきた
柳田さんは、いつも「事故は必ず起こるもの。人間はミスをするもの」という。
全くその通りだと思う。
事故から学んだ国々と、学ばなかった日本の差は大きい。
どのように学んだのだろうか、考えてみたい。
イタリアでは原発から完全撤退の道を選び、ドイツも撤退へと向かっている。
事故から多くを学び事故に備える体制作りをしたのに対し、日本は「安全」を
旗印に掲げて事故に備えることをしなかった。
原発の審査や管理についての比較をしてみたい。
◆ アメリカの場合、 約2000人以上の審査、管理の専門スタッフがいる。
電力会社にいるのではなく、政府の側にそれだけの専門家を配し、建設
立地 から設計、審査、運転管理まで点検している。事故などの非常
時に備えた 体制作りが出来あがっている。
◆ 日本の場合、審査、管理スタッフが、どこにどれだけいるのか明らかに
されていない。ほとんどが 非常勤で大学の教授などによるアルバイト
的なものだ。
設計審査も机上の計算だけ。政府の側に管理能力の備わっている専門
家が常駐的に配されていない。事故に備えての体制が出来ていない。