中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

原発事故の教訓(1)

 スリーマイル島原発事故については、10数年も前に柳田邦男さんが
本を出しているが、月刊・文藝春秋6月号にも「恐怖の2時間18分」と題して
寄稿されているので、ぜひとも読んでいただきたいものだ。事故の際に現場が
どれだけ混乱したかが良く読み取れるし、航空機事故などを検証してきた
柳田さんは、いつも「事故は必ず起こるもの。人間はミスをするもの」という。
全くその通りだと思う。
 アメリカは、自国の事故とソ連チェルノブイリ事故から多くを学んだ。
事故から学んだ国々と、学ばなかった日本の差は大きい。
どのように学んだのだろうか、考えてみたい。
イタリアでは原発から完全撤退の道を選び、ドイツも撤退へと向かっている。
世界で最も原発を持っているアメリカと2番目の保有国フランスは、この二つの
事故から多くを学び事故に備える体制作りをしたのに対し、日本は「安全」を
旗印に掲げて事故に備えることをしなかった。
 原発の審査や管理についての比較をしてみたい。
◆ アメリカの場合、 約2000人以上の審査、管理の専門スタッフがいる。
   電力会社にいるのではなく、政府の側にそれだけの専門家を配し、建設
   立地   から設計、審査、運転管理まで点検している。事故などの非常
   時に備えた   体制作りが出来あがっている。
◆ 日本の場合、審査、管理スタッフが、どこにどれだけいるのか明らかに
   されていない。ほとんどが   非常勤で大学の教授などによるアルバイト
   的なものだ。
   設計審査も机上の計算だけ。政府の側に管理能力の備わっている専門
   家が常駐的に配されていない。事故に備えての体制が出来ていない。