中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

原発事故調報告を受けて

 昨夜の、NHK「発事故調最終報告」を見て下さっただろうか。
ここでは多くを語りたくない。
あまりに馬鹿げていて、あいた口がふさがらない心境にある。
原発事故直後に、私がこのブログで語ったことはすべて正解だったと自負している。
どうして、素人の私が正解を出し得たのか。
 それは、今回の事故調の委員でもある、柳田邦夫さんの著書を10年以上も
前に読んでいたからだった。この本には、スリーマイル島の事故調査を検証して
詳しく報告が書かれていた。彼は、飛行機事故調査にも詳しい本を書かれている。
そして、飛行機も原発も、事故というものは人間の油断によっておこるものであり、
絶対安全などというものはない。事故は必ず起こるものという前提に立って、どうすれば
未然に防げるかを考えるべきだと主張されてきた。
 今回は政府の事故調委員をして参加されているが、やはり同じことを主張されている。
政府や官僚、そして電力事業者側が、前提に「絶対安全」を掲げ、事故が起こった時の
対策を何ら獲ってこなかったことが暴露されている。まさに人災である。
 アメリカなどは、事故は起こるものとして、対策を考え、準備万端を整えていたのに
対し、日本は「寝た子を起こすな」という姿勢の中で、国民を騙してまで、安全を無視
してきたということなのだ。
 事故は民主党政権で発生したが、原発の安全を無視してきたのは自民党政権であった
ということも忘れてはならない。
 福島原発の事故と、その後の対策は、まだ半分以上が闇の中にある。
今後に向けて解決できていないことの方が多い。その中でも最も大切なことは、万一
事故が発生した時に、どういう対策をとるかという、現場作業員たちへの再教育や訓練が
まったく行われないままに、再稼働が行われていることではないだろうか。
 「安全」は、原発の仕組みや構造の点検だけであって、今回事故を招いた要因である、
教育の不備、訓練の不備は再稼働に向けて無視されたままになっている。
 今のままでは、もし事故が発生した時に、福島と同じ轍を踏むことになるだろうことは、
火をみるより明らかだ。
 車を運転していて、目の前に障害物が突如現れた時に、ブレーキではなく、アクセルを
踏んだような、初期的なミスを起こしているのが、福島原発メルトダウンの現実である。
事故が原因で、数百人が死んだ。今も十六万人が避難中である。なのに・・・「事故が
原因で一人も死んでおりません」という東電側の発言は、いかがなものかとおもう。
 この次の事故で「日本は滅びる」ことを、もっと肝に銘じるべきだろう。