中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

原発事故と狂牛病の類似点

 福島第1原発事故は、僅か1年半で多くの国民から忘れ去られ
ようとしている。日々の会話の中からも原発事故について語られる
機会が減ってしまった。なにをいまさら・・という感覚で人々は受け止めて
しまっているのではないかと危惧している。
 原発事故は終わってないのだ。なにも終わっていない。今後何十年間、
何百年間かけても終わらない、深刻なものなのに、早くも忘れ去っては
いけないのではないだろうか。
 月刊・文藝春秋柳田邦夫さんが事故原因を詳しく連載して下さっている。
彼の解説は、だれのものより分かりやすい。
 何度も書いているが、彼の書いた「撃墜・大韓航空機事故」(上・下)
講談社文庫は、刊行された当時に読んだが、推理小説よりも面白かった。
「マッハの恐怖」も面白い。「恐怖の2時間18分」はスリーマイル島原発
事故を書いたものだ。
 彼の一連の事故調査書を愛読していたので、福島原発事故の時に直ぐに
頭が反応してブログも書けた。
 文藝春秋の連載は多くの国民に読んでほしいのだが、国民の何%の人が
読んでくれるのだろうか。
 狂牛病は、いまやBSEなどと省略されていて、何のことか分からなくなって
きている。そして、人々から忘れ去られようとしている。
 この病気は、牛の病気と言うより、人間が牛に与えた病気だと解釈した
方がよい。草を食べていた牛に動物たんぱくを与え、同じ牛の骨肉を与えた
ために世界中に広がってしまった。油断してはならないのは、狂牛病
なくなってしまったということではないからだ。人間は多くのミスを犯す。
狂牛病もそうだし、原発事故に至っては、人間のミスの連続が起こした
ものなのだ。
 人はミスを犯すということを前提において、決して油断することなく緻密
に考えなくてはならないと、柳田邦夫さんは、その著書の中で何十年も
前から訴え続けている。
 原発事故調査委員に彼が入っているというだけでも、真実が明らかに
なるだろうという期待を抱かせている。
 狂牛病については、福岡伸一さんの著書に詳しく書かれているので参照して
いただきたい。みんなさんが、これらの本を手にとってじっくり読んでほしいので
紹介を兼ねて書かせていただいた。