中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

気になる言葉(その1)

あちこちで聞く言葉が気になっている人は多いのではないだろうか。
それとも、気になるのは「古い人間」だからなのだろうか。

先日のクリニックでのこと。体温計を差し出しながら
「体温を計っていただいてよろしいでしょうか」と看護師。

もし、私が「いやです」と答えたら?どうなるのだろう。
「計ってもらわないと困ります」というのかな?
だったら、体温計をはじめから、体温計を差し出しながら「体温を計ってください」
というか、「これを脇に挟んで体温を計ってくださいね」と言う方が良いのにと思う。

「・・・・していただいてよろしいでしょうか」と言う言い方はいつ頃から巷に
溢れだしたのだろう。帰国して、このような気になる日本語が多くなっていることに
気付く。

「していただいて宜しいでしょうか」「よろしいでしょうか」のどちらも英語の
 MAY I・・・・が原型だと思う。
英語では、相手に許可を求める時や、依頼する時に使う最も丁寧な言い方がにMAY I・・・
と言う言い方になる。

それを直訳した形の日本語が「・・・で宜しいでしょうか」になってきたのではない
だろうか。ここでは英語の難しい話をする気は全くない。
しかし、気になることなので、もう少しだけ書いておこう。

例えば「May I have your name ? 」は、「お名前を伺いたいのですが」で
良いのであって、これを「お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」と言うと
ちょっと気になるというものだ。
英語を習うのは良い。国際人を目指すのも良い。しかし、英語に影響された変な
日本語を蔓延させてほしくないと願っている。

必要としない場所で、「・・・・していただいてよろしいでしょうか」と言われる
のは、すっきりした気持ちにはなれない私である。
丁寧な言葉を使おうとする気持ちは大切にしたい。
でも、それを言うなら、会話全部が丁寧になっていなければ「頭隠して尻尾隠さず」
ではないか。

丁寧語もほどほどが良く、簡略でよい。私は、両陛下と話す時もほどほどの丁寧語で
済ませた。御所でお茶をいただくときに、「お茶をいただいてもよろしいでしょうか」
などとは言わなかった。丁寧に言うなら「お茶を頂戴できませんでしょうか」だと
思う。「・・・・していただいてよろしいでしょうか」というような言葉が、このまま
普遍的にならないでほしいものだと願っている。