中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

随筆自伝(132)私を守ってくれたのはだれなのか

     《これが本当のピザだという主張》

  食べ物のことで思い出したが14年間、同じ店のものを食べ続けたものがある。 家から近くて大きなウイットフォードショッピングセンターの中の「ピザ店」だ。 車を停めると目の前にあるので便利でもある。 この店のピザを買ってきてよく食べた。 おいしくて安いのが特徴だった。 日本とサイズの基準が違うので書きにくいが、特大サイズが、あちらではLサイズということになっている。 注文するのは、三種だがトッピングにいろいろとこちらの好みを言う。妻は肉類のものが入っていないのを好むので、こちらの好みを言うとオッケーと言って引き受けてくれる。 相手がこちらの好みを覚えてくれていて、言わなくともわかるようになってくれる。

 目の前で作り、焼いてくれるので、出来上がりまで待って持ち帰る。 さすがに、二人で三枚は食べられないが、切り分けて冷凍しておけば良いので便利で美味しかった。

 妻と思い出を語るときに、必ず出てくるのがピザのはなしだ、ということは、それだけ満足していたということにもなる。

        《自分のことだけに時間を使う罪悪感》

毎日を楽しむことだけに使うというのは、15歳から毎日働いてきた私にはできないから、日本クラブやサポートネット虹の会、日本語教室、日本語補修校など、何かお役に立つことがあればと尽くしてきた。

サポートネット虹の会は、日本人だけではサポートに限界があるので、現地の社会福祉法人と提携することにした。例えば病院に行きたいときなど、提携先に依頼すれば、タクシーで行くより安く行ける。家の樋が枯葉で詰まった時などの清掃も安価でやってもらえる。

 現地法人へ行って、そこの壁にある大きなボードを見て驚いたことがある。びっしりと日々の時間ごとに名前が記入されているので、その意味を訊いてみた。 ボランティアが、自分の空き時間を報告しているらしい。

 ボランティア活動という考え方が日本とは少し違うようだ。(自分の時間が空いているときなどに、何かお役に立てることがあればやりましょう)ということのようだ。車を使う場合は燃費のこともあるので有料となっているがタクシーより安い。さまざまなサポートに対応できるようだ。

 現実的には、提携によるサポートを受ける機会はあまりなかったが、専従者を10人も抱える大きな組織で、充実した内容を持って活動している現実を見ることが出来たことは、良い学びでもあった。 ボランティアの人数が多いので

『このようにボランティアの人が多いのは、宗教的な影響ですか』

 と尋ねると、彼は笑って

『オーストラリアで教会に行っている人は、1%ぐらいじゃないかな。宗教的なことではなく、みんな人道的に登録し、活動しているのですよ』

 日本の大学でボランティア活動をすれば単位をもらえるという所がある。何かが違い、何かが間違っていると思っている。

 私が神戸暁星学園で、生徒たちにずっと言い続けていた「メイアイヘルプユー」が、やはり正しかったと再認識したものだった。 世の中を明るくするには、これが最善だと思っている。